で提案していた通り、小説読書のループに名著を入れようということでさっそく手を出した「Yの悲劇」
エラリー・クイーンは、「十角館の殺人」での登場人物のあだ名としての認識しかなかったけど、どうやらこの「Yの悲劇」はミステリ史上最高傑作とも評される作品らしい。その立ち位置はずっと「そして誰もいなくなった」だと思ってたけど、意外と賞レースにおいても「Yの悲劇」は独創していたらしい。
私は名著だろうとなんだろうと、海外文学はそもそも苦手意識が強い。まず登場人物の名前が(少なくとも英語圏は) カタカナであるため覚えられない。登場人物に限らず地名もそう。それに文化的な背景や台詞の言い回し一つとっても教養を求められるところがある。
そういう背景から、自宅にある海外文学は「そして誰もいなくなった」の一冊だけだったが、流石にもう少し古典に振れたほうが良いだろうと思い、評価の高さから本書を選択。
序盤から中盤にかけては、やはり前述の苦手意識が現れてなかなか進まなかった。最初にプロローグを読んでからは3日間手がつかなかったぐらいだ。それでも読み進めれば間違いなく面白いという期待値はあったので、休日にカフェでじっくり読み進めたりして、結果的にはそれほど時間を書けずに読み終えることができた。
結論、やはり読んで良かったと思える傑作だった。ツイートでも零している通り、絶妙な余韻だけを残してくれる読後感。こんな結末を90年も前の探偵小説でもうやってよかったんだと思わせる探偵役の決断。おそるべく名著だ。
おそらくは苦手意識も完全にはなくならなくても、読み重ねていくうちにある程度は払拭できるだろう。もう一周ぐらいは、「個人的に気になった本」「いわゆる名著」「人から勧められた本」のループを続けてみようと思う。