問い合わせ対応は総合格闘技

s_sasaki_0529
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SaaS の自社開発をやっていると、お客様からのお問い合わせがカスタマーサポートを経由して開発者に届くことがある。いわゆるお問合せ対応業務というやつで、前職でも現職でもよくやるアレだ。

お客様からの問い合わせ、かつサポートでは回答しきれず調査依頼が回ってくるということはそれだけ謎事象である確率が高い。正常系であれば問い合わせなど起こり得ないし、準正常系や、比較的あるあるな異常系であればサポートが回答できる。開発まで届く問い合わせのだいたいは謎事象だ。

謎事象に対しては普段の知見、経験が適用できず、多面的に事象に至った経路を想像し、仮説をたててはそれを絞り込んでいくことを繰り返すことになる。自分が得意な領域のこともあれば、まったくわからない、なんならチームで誰もわからない領域なことさえある。

こういった背景から、私は問い合わせ対応業務を総合格闘技と呼称している。自分が言いだした言葉なのか、以前誰かが言っていたのかは覚えてないが、とても気に入ってる。

インフラからバックエンドやフロントエンドといった広く深い技術的な問題だったり、ドメインに潜むエッジケースや歴史的経緯に埋もれた隠れた新事実が原因だったりすることもある。さらにはサポート職の人はもちろん、普段は接しない多くのステークホルダーとのコミュニケーションが必要になることもある。まさに何でもありの総合格闘技だ。

現職ではまだそういったレベルの問い合わせは扱ったことはないが、総合格闘技を経験すればするほど、普段使わない筋肉を鍛えることができ、一気にレベルアップできるチャンスになる。相当疲弊するしメンタル的に苦しい戦いにもなるが、成長のためには避けて通れない業務だと思う。