作品をもう少し身近に感じてもらえたらと思い、最新話の軽い制作裏話を「#セカバジ裏話」として時々ゆるりと更新していこうと思っています。
※ネタバレを含みます。未読の方はぜひ本編を読んでからどうぞ💐!
Play25『決壊〜一夏の場合〜』

一夏失恋回。
どう受け取られるかな…と過去一番不安だった回でした。一夏と理津の甘い恋を楽しんでくれている読者さんの中には、「こんな痛々しい展開見たくない」と思われる方も出てくるかもしれない。
でも物語を進める上で、私の中ではどうしても避けられない問題であり、必要な展開でした。
ただ甘いだけの物語を続けることもできたのかもしれません。それでも、二人の間に横たわっているこの問題をスルーしたまま描き続けることは、私には選べませんでした。
求められるもの、描けるもの。どうしても譲れない、キャラクターや関係性の芯の部分。
いろんな葛藤を経て、この展開を選びました。葛藤がありながらもこの展開を選んだのには、ちゃんと理由があります。求められているのは、こういう展開ではなかったのかもしれない。もしかしたら、作者の我儘に付き合わせてしまっているのかもしれません。
それでも私は必ず、最初から変わらず大切にしてきたこの物語のテーマを突き通します。読んできてよかったと思ってもらえるよう、カタルシスまで連れて行けるよう、最善を尽くします。
一夏と理津、崎丘たちのこれからをまだ見たいと思ってくださるみなさんへ。
どうか信じてついてきていただけたら嬉しいです。
涙を光に変えていく魔法の話
【ここから先は裏話のさらに裏側、作家としてのかなり個人的なお話になります。】
実は25話は、作家としての「手応え」「確信」を感じた回でもありました。
引かれそうな話ではあるのですが……25話のプロットは、嗚咽しながら書いたんです。正直に話すと、私は一夏のような「セフレとのめくるめく生活!」みたいな体験はなくて。全部空想のお話のはずなのに、一夏の痛みが自分の痛みのように感じられて不思議と涙が止まらなかった。一夏の人生で起きた出来事を体験したことはなくても、過去の体験で感じた「痛み」「悲しみ」が、一夏の痛みや悲しみに共鳴したのだと思います。こんな体験は初めてで、自分自身でも驚いています。
私の中には、感情のバリエーションがたくさんある。感情の海みたいなものが、自分の中に確かに存在している。だからすぐに感動して涙するし、人の痛みに共鳴して悲しくなったりもする。身を焼き尽くすほどの怒りの感情や、世界に自分しかいないかのような孤独感や虚しささえも、よくよく知っている。
「私はきっとこれからも、この深い海の底から感情を掬い取って描いていくのだ」。
そんな確かな手応えを感じました。これは数字上の手応えでもなければ、誰かに何かを言われたわけでもありません。あくまで自分の中だけで、自分に「これだ!」とGOを出せた、そんな種類の手応え。

思い返せば幼少期から、自分の中で生まれる感情の波、激しい嵐を、ずっと飼い慣らすことができずに生きてきたように思います。でも漫画を描くようになってから、あの頃どこにもぶつけられなかった感情の出口を昇華する術を覚えた。眠れない夜に布団の中で独り泣いていた女の子は、大人になって涙を光に変える魔法を使えるようになった。過去のどんな痛みも、光に変えていく魔法を。
生涯、作家として物語とどのような姿勢で向き合っていきたいのかが、ハッキリと見えた。過去の点と点がすべて繋がって、未来へ続く一本の道になった。そんな自分の中での納得や確信、感動がありました。
だからこの物語を描き続けてきて、本当に良かった。
今度は読者の皆さんに「この物語を追い続けてきて、本当に良かった」と思ってもらえるように。できるだけ丁寧に、この先の物語を紡いでいこうと思います。

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