1年近く間が空いてしまった。去年の1月に始めた連載、ようやく再開させることができた。
作品を世に出すのが久々すぎて、新連載前のようなそわそわ感。これからまたそれが日常になっていくことに、プレッシャーと安堵と、両方のアンビバレントな気持ちがある。
あたたかいコメントをたくさんいただいて、読者に恵まれたな、と心から思う。同時に全話無料ということで初めて読んだ方から手厳しいコメントも少なからず届いて、色んな意見が飛び交うこの感じも、また新連載当時を思い出す。
魂を込めてつくったものに対して、反応が無いことが一番怖い。反応をもらえないくらいなら、批判コメントをもらう方が全然マシ(とは言っても、批判ばかりだったら凹むんだろうけど)。SNSのフォロワー数が少ない無名の私がコメントをもらえるのも、掲載媒体と数多くの掲載作品のおかげだ。このことを当たり前に思ってはいけないんだ、と改めて思い知る。
休載前までの自分は、「早く売れなきゃ」とずっと焦っていた。とにかく早く結果を出さないとダメなような気がしていた。その意識を変えたのは、苦手だったSNSなのかもしれない。ずっと避けてきたSNSと向き合おうと思って、療養中にインスタで「#連載再開チャレンジ」のハッシュタグをつけて進捗を載せるようになった。十数人のフォロワーさんしかいなかったので気ままにやれるかなと思って、見よう見まねで投稿やストーリーを工夫して。
最初は新規読者を増やそうと思って始めたSNSだったけど、少数精鋭なフォロワーさんたちとアンケートやコメント欄で小さな交流をするようになって、実際の読者の方々が目の前に見えるようになって。そして休載中でもマンガワンのコメント欄にコメントしてくださる読者さんもいた。1年も更新がなくて、忘れられてもおかしくないのに。
そんな今いる読者さんたちに、どうしたら喜んでもらえるだろう?本当に大切なのはそっちだなぁと思うようになった。作品の売り上げや私の知名度に関わらず、作品を楽しみにしてくれている読者の方がいる。フォロワー数とかお気に入り数とかじゃなくて、一人一人の読者の方に私は届けているんだ。そのことを忘れることなく、一番大切にできれば、結果を焦ることなく地道に作家活動を続けていけるんじゃないか。
自分のためだけだと頑張れないことも、誰かを巻き込むと頑張れる。これは昔から変わらない私の特性みたいだ。SNSやマンガワンの反応、コメント欄にモチベーションをもらいながら、喜んでもらえるために作品を描いていく。そんなwin-winな循環ができて、読者の皆さんと繋がっていけたら嬉しいなと思う。それができたら、きっと結果も後からついてくるんじゃないか。
まだまだ描きたいテーマや物語がたくさんあって、もっと自由に描けるよう表現力や技術も磨いていきたい。そのための体も環境も、ちゃんとここにある。無いものにばかり焦がれたり気を取られたりするんじゃなくて、今あるものをしっかり大切にしていこう。そうやって今自分の持ってる等身大の武器を使って、できるだけたくさんの人をハッピーにできるよう、凡才なりにチャレンジを続けていきます。持続可能な、長く長く続く作家活動をしていきたいです。興味の続く限りで構いません。これからも、ぜひ作品を読んで楽しんでもらえたら嬉しいです。