どうもこんにちは。〆鯖と申します。
先日のC103にてサークル・塩キャベツ亭さんで発行された「-ブルアカ女女合同2-Across Impedance」 に拙作「面倒な女たち」を寄稿させていただきました。貴重な機会を頂けてありがたかったです。今回は、作品内で書ききれなかった明星ヒマリさんと調月リオさんについての自己解釈とかを語ってしまおうと思います。 大したものではないですが、表明できる時にしておきたかったので……。
そもそも合同に参加しようと思った経緯
ブルアカは1.5周年の時に水着シズコの可愛さに釣られて始めました。ちびちび進めていく中、エデン条約編で他者理解について向き合う姿勢が多く見られたのをすごく気に入り、「このゲーム、相互不理解の先にあるコミュニケーションを見せてくれる……! 」と完全に信頼し始めました。あとがきまで読んでくださった方はご存知でしょうが、私は相互不理解がめちゃくちゃ好きです。
それからしばらくしてパヴァーヌの2章が追加、さらにしばらくして最終章が追加されました。察しのいい方はもうお気づきかもしれません。
浦和ハナコ問答つき相互不理解おかわり?!
……と、このような流れ(だいぶ端折っています)で明星ヒマリさんと調月リオさんの関係に衝撃をくらい、どうにかこうにか発散したかった私はそのパッションのまま偶然目にした女女合同2の募集に飛び込んだのでした。経緯おしまい。
・最終編の相互不理解の話ばかりなのでキャラ単体の話をすると、一番好きなヒマリさんはデカグラマトンの時のヒマリさんです。そもそもデカグラマトン全体の雰囲気が好きで、自販機にモーションあるのには喜びました。ちなみに、リオさんはパヴァーヌ2章での覚悟の決まり方がめちゃくちゃかっこいいと思っています。自己犠牲は見ている方が辛い。
「面倒な女たち」について
・内容はタイトルの通りです。前述の通り、最終章での二人の相互不理解(すれ違い)の先にある歩み寄りが自分のヒマリさんとリオさんを考えるきっかけだったので、いかにして公式と同じようなすれ違いの面倒さを出せるかというところに注力しましたが、出来上がったものがあまりに面倒くさかったのでもうそのまま感想がタイトルになりました。ヒマリさんとリオさんの話を考えるにあたって、この二人の過去に何があったのかを考えることもあり、それを話に盛り込もうかとも思いましたが、リオさんが未実装なのに加え、まだ公式で語られる余地の匂いがすごかったので、下手なことはできない……! と思い直し、過去捏造することは避けました。
・ヒマリオ表記ではありますが、あくまで便宜上です。百合ではなく、女と女の感情がぶつかり合って生まれた衝撃の余波の部分、略して女女であるという心持ちで書きました。百合合同ではなく女女合同なところを勝手に気に入っております。
〜内容についての話〜(敬称略)
・最終章ではリオがヒマリを気にかけ、アリスがリオを気にかけていたので、「……心配してくださり、ありがとうございます、リオ。」の延長で今度はヒマリがリオを気に掛けるパターンを見たいなと考えた結果、休息のことを意識しているヒマリと休息の取れていないリオの対比になりました。ヒマリとリオの和解は公式がやらないと描きたくないし、アリス曰く「許す必要はありません」とのことなので仲良くはさせず、あくまで敵に塩を送る程度の温度感を目指しました。地味なこだわりですが、リオがアリスと向き合うスチルとも対比させたいなと思い、話している間ヒマリは一切自分の後ろ(リオ)を向きません。ただ、同じ方向を見ていることにはなっています。
・せっかくシラトリ区復旧の時期にねじ込むなら、ということでエイミに言及しました。一人では決して生きられない人類が好きなので、部室で話を進めるのに理由なくエイミを登場させないということはしたくなかったです。ヒマリとリオは白黒の対比ですが、エイミとヒマリはピックアップ名からして寒暖差って感じで可愛いですね。持っているヘルメットはドロップアイテムの安全帽です。ちゃんとどのボーナスだったか調べました。ヒマリも一緒です。ちなみにアリスはめんたいポテチ、トキは財務諸表です。かわいい。
・校内ドローンのハッキングをするヒマリ(絆ストーリー1話)とユウカの犬をハッキングするリオ会長の対比がやりたかったです。体操服ユウカの犬可愛いですよね。ドローン会話の再演をやりたいというのもありました。同じ手段を2回も使うのはヒマリさんの好むところではなさそうだと思ったので、ユーモアが足りないと怒っています。リオさんは別に悪くないです。うまくいくパターンを使い回すのってよくあるし。ウイミカヒマリアコ…(呪文)
・あの子達=トキやアリスです。本当はリオのことを真面目に心配する二人を描写したかったんですが、これはヒマリとリオの話なのでやめました。尺の都合もあります。
・リオはヒマリにほぼ言い返すことができていません。これは、パヴァーヌ前はいくらヒマリが言いたい放題してもすべてスルーできたリオが、パヴァーヌ後はアリスやトキに対する自責でメンタルも身体の健康も弱っており、以前のようにヒマリに(言葉で)殴られてもやり返すだけの元気がないのではないか?という自分の解釈に基づいた描写です。ちなみに、最終章はヒマリも弱っているため、イライラした勢いでリオにあたったら想定より深いところにブローが入ってしまった……。(ハナコに諌められて少し反省)というイメージでいます。
・トキ。箱にアビエシェフとあるのはア○ゾンと一緒のアで始まるからとかいうなんでもない理由です。会話シーンを作っても良かったんですが、前述の通りヒマリとリオの話なのでやめました。当初はバニー服で運ばせて「あの子何やってるの…?」をやりたかったんですが、時系列がめちゃくちゃになるので控えました。尺の都合で描写していない設定として、アリスとトキはヒマリに(箱の中に)好きなものを詰めていいと言われている、というのがあります。多分食料とか詰めてます。
・全てに精通しているが故に全てのことに疑念を抱くビッグシスター・リオですが、トキが運んできたものという理由で警戒をしませんでした。すぐにヒマリからだと気づいたのは、自分のセーフハウスの情報にたどり着ける人間なんて自分を除けばヒマリしかいないだろうというある種の実力への信頼からです。実際に見ていなくてもリオが不調であることを言い当てたヒマリとの対比でもあります。ちなみにユウカ犬の乗っ取りにすぐ気づいたヒマリも同じパターンです。
・ヒマリからの贈られた”アレ”の意図はそのまま「休め」ですが、リオにはあまり伝わっていないです。リオさんはパヴァーヌ2章冒頭の「あなたは私の姉なの?」を本気で冗談と解釈できていなかった人なので、ヒマリの考える「ユーモア」が一切通じない人なのだと解釈してこうなりました。あなたはそういう人でしたね案件です。ヒマリ的には押し付けて一方的に借りを返したようなものですね。こういうところも面倒だなと自分で描いておいて思います。これもカットしてしまった設定ですが、リオはこのあとセーフハウスを変えます。
・アヴァンギャルドくんといい、全知アイマスクといい、この二人はビジュアルでも内面(合理主義者VS感情で動く人)でも徹底的に対比されながらも節々で似ている気がする……。
・あとがきに書くのをすっかり忘れていましたが、この話はコミュニケーション不和を描きたいという欲求以上に↑の一連のヒマリさんの発言を自分が噛み砕くために描いたといっても語弊はありません。これを「理解できない他人(もの)を通じて「己」の理解を得ることができるのか」という話と合わせて、『ヒマリが理解できない他人(リオ)の心情について信託を受けた王の話を通じて考えることで、己のリオへの感情(あなたが嫌いなだけ)を改めて理解し、かつそこにそれ以上の意味(軽蔑)はないこと』と解釈しました。『アリスが理解できない他人(ケイ)の立場になって考えることで、アリスが自らの意思で世界を救いたいと望んだ(己の理解を得た)こと、ケイという名付けに特別な理由も、目的も、意味もないこと』との対比であるとも思っています。リオに対して軽蔑はしていないからこそ、個人的な好悪・許せなさの話から切り離し、同じ世界を救った「仲間」としてこの一時だけは感謝しているのだと読み、今ある情報で二次創作をするにあたってヒマリからリオへのこの時にできた精神的借りを返すような話にしました。元々はヒマリさんに借りを返す的なことを言わせるつもりだったのですが、プライドが高いヒマリさんは言葉には出したくないだろうなと思い直し、やめました。
・これはいらない情報ですが、あとがきのリオ会長実装コールを訳すと「ヒマリさんに比べてリオさんの解釈に使える情報が圧倒的に足りないのでたすけてヨースター!なんでヒマリオが犬猿なのか教えて!リオさんに美味しいご飯食べさせて!」とかになります リオさん、どこにいるの……。
おまけ:チラシの話
本編寄稿に加えて、チラシ制作のお手伝いもさせていただきました。実はこの絵がヒマリオ初描きでした。素敵な感じで使っていただけてありがとうございました。バチバチやりあってる二人が見たい+リオさんって割と初見のゲームすぐできそう(ビッグシスターだし)(?)という感じの絵です。やってるゲームはマ○オカートとかの想定です。リオさんが勝ってます。公式の立ち絵などではヒマリさんはほとんど(正面から見て)左向きの顔なので、右向きの資料がなくカフェでぐるぐる回したりしました。コントローラーの色はそれぞれ後輩(エイミ・トキ)のイメージカラーと対応しています。
ずいぶん長々と書いてしまいましたが、言いたかった情報・出したかった解釈は大体言えた気がするのでここら辺で終わります。この記事を書いている途中、たびたびブルアカを起動しストーリーを一部読み返していたのですが、正直難しすぎて何度も考え込み手が止まりました。ミレニアム問題級の難題、ヒマリオ解釈の追求は続く……。読んでくださりありがとうございました!これからも精進します。