自棄(ヤケ)という遠心力を使って遠くに行こうと試みたが(最近一度成功したが)、抱えている課題が擡げ出してしまって叶わなかった。瓦屋根とローカル電鉄のレールとバイパスが少しずつ配分されていることで醸し出されている市境的雰囲気の中で沈思する、時間は無為だろうか。なぜ直射日光に相対して駐車してしまったのか。午前のハレの時間はどこに行ってしまったのか。
胃の中のニンニクから、不快な気流が発せられている。自棄になりたいが自棄になりきれない、生活人としての、わずかに残っているらしい自律性に揺さぶられて、煩悶が車内に充満しきってしまう前に、あんたよ、ここを離れろ。
芒野原で佇む虚しさを、決して想像することはできない。