有言実行、トーストを焼く。
“自分を元気にするトースト”とはどんなトーストか。問いに対して自分なりの答えを起点に調理法を探っていく、というアプローチ。
そういえば、これまでの人生でトーストについて真剣に考えたことはなかった。私はずっと仕事がキツくて長いこと朝ごはんを適当にしていたし、夫と朝からたくさん食べられないタイプなので、トーストのみならず朝ごはんに対しての思い入れがかなり薄い。
まずぱっと思いついたのはかじるとじゅわっとバターが染み出すようなトースト。小麦の焼ける香りも好きなので両面にバターが塗られたようなものはいささかtoo muchに思える。
表面はカリカリしすぎず、ちょっとレアっぽい質感だったらなおのこと嬉しい。ざらりとしすぎず、食パンならではの優しいふかふか感も残っていてほしい。
ちぎって目玉焼きの黄身を拭ったり、ひと口だけジャムをつけてたりするのも捨て難いので、やはり一般的なトーストよりも柔らかく焼かれたものが好みのような気がしている。
今朝はあまり時間もなかったので、今回はひとまずフライパンで好みのレア焼きを目指してみた。焼き目を観察しつついい匂いがするまで両面焼きに。料理をするときは嗅覚を頼りにしているので本当は換気扇も点けたくないくらい。夫からクレームが入るのでいつも渋々スイッチを入れている。
焼き加減の心配のあまりうっかりコーヒーを淹れる前に食パンを焼いてしまったため、肝心の食べるタイミングでちょっぴり冷めてしまっていたトースト。それでも、真剣に焼いたトーストには確かに美味しさとは別のたしかな満足感があった。
(三浦哲哉『自炊者になるための26週』1 においの際立ち より)
[お弁当]鶏手羽の黒酢胡椒焼き、豆苗とツナのサラダ、大根の梅煮、卵焼き(自家製なめ茸入り)、ミニトマト。卵焼き+なめ茸、口の中でつるんと解けてとても好みの質感だった。