2024.3.6

玄関を出ると、ひさしぶりの寒さに指先がじんとした。暖をとろうと首筋に指を持っていく。爪のポリッシュが少し剥がれかけていて、帰ったら塗り直したいな、と思う。

今日は夫の帰りが遅い、ならば早速図書館に行ってみようかな、と考えたもののあまりにも寒かったので断念。寒い日に未知の場所に行くのはあまり得策ではない。

代わりに幕張の本屋さん『ライトハウス』に寄り道する。背表紙を眺めいくつかを手に取る。散々悩んだ末、寺地はるな『水を縫う』、三浦哲哉『自炊者になるための26週』の2冊を購入。悩みに悩んでも19時前という幸せを噛み締める。

並びのカフェ『HAMANO COFFEE STAND』へ。ホットコーヒーとシナモンシュガードーナツを傍らに、活字の海へと潜る。好きなことを追い求めること、好きなことを好きとだと思う心のこと。型にはめられることの息苦しさと、自分自身を生きるということ。そして、愛された瞬間が確かにあった、ということ。ページをめくる手が止まらず、『水を縫う』は1時間で読み切ってしまった。しかも後半は涙が止まらなくなってしまい、だいぶ怪しいことになる。

それにしても改めて日記と向き合い始めてから、なんだか異様に涙もろくなっている気がする。

以下、『水を縫う』より引用。

“着てほしい。すべてのものを「無理」と遠ざける姉にこそ。きらめくもの。揺らめくもの。どうせ触れられないのだから、なんてあきらめる必要などない。無理なんかじゃないから、ぜったい。”

“「自分を元気にするもの。自分を元気にしてくれるもの。……水青がかわいいのはいやって思うことは、べつに悪くない。誰もが同じ『かわいい』を目指す必要はないからね。」”

“父は『女はきれいでかしこい』と言った。夫は『かわいい』と。ほめる態で、抑圧してきた。それは抑圧であると糾弾するための言葉を、わたしは獲得していなかった。”

“自分に合った服は、着ている人間の背筋を伸ばす。服はただ身体を覆うための布ではない。世界と互角に立ち向かうための力だ。”

[お弁当]鰤の醤油麹漬け焼き、茹でブロッコリー、にんじんの梅和え、ほうれん草入り卵焼き、ミニトマト。珍しく卵焼きに混ぜもの(?)をしたのは、先日の名古屋旅行でう巻とテ巻(煮込み=牛「テ」ール)がおいしかったから。いつもより慎重に巻いて仕上げる。