恋人は笑点

saida
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付き合いが長くなるにつれて、お互いに共通の言葉やネタが積み重なっていく。それは時にはマンネリにもなってしまうのかもしれないが、基本的に良いことだと思う。新しいことやキャッチーなウケが必要とされない、力を入れなくていい安息の空間ができるからだ。同じことを繰り返して、時たま外から思わず笑ってしまうようなことが飛び込んできて、また同じことを繰り返し、その繰り返しの中で私たちの言葉は気づいたり気づかないうちに移り変わっていく。変なことはそれなりに頻繁に飛び込んできたり、見つけてしまうものなので、同じことの繰り返しの中でそう退屈することもない。恋人は笑点だと思う。本当は他の属性の人もそうありえるのかもしれないけれど、私は飽きてしまってできなかった。きっと繰り返しで飽和しているうちに終わってしまって、その中に何かが飛び込む隙間も余裕も持てなかったのだと思う。