推しの「コールドスリープ」に思うこと

sajikix
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公開:2025/9/22

Perfume が「コールドスリープ」を発表した。

まぁ世間的な言い方をすれば「活動休止」である。なぜ敢えて「コールドスリープ」というワードを選んだのかにも色々と想像できることがあるのだがここでは触れない。

Perfume に特段詳しくない人や最近の発信を知らない人であれば、今回のニュースは突然なもので人によってはショッキングなものだったかも知れない。

一方Perfumeの活動を熱心に追ってる人からすると、ここ1年(あるいはもっと)の3人の言動から、それが活動休止を示唆するものだとは思わなくても、察するものがあったはずである。少なくとも自分は近い将来なんらかの活動方針変更があると覚悟していたし、それが長く推すということの宿命だとも漠然と思っていた。

また仮にそんな予兆を感じとれていなかったとして、Perfume という存在の特異性に惹かれている以上、思い当たる節がないとは言わせないというのが一個人としての本音である。

知らない人向けにも書いておくと、3人は小学生の頃に広島アクターズスクールで出会いPerfume(当時のぱふゅ〜む)を結成してから雄に四半世紀を共にし、大きな休みもメンバーの変更もなく、最前線を走りぬけている。それどころか3人を支える中田ヤスタカ氏(東京インディーズ以降の全ての楽曲を制作)や、MIKIKO先生(全てのダンスの振り付け並びに近年のライブ演出)と言ったメンバーですらも20年以上の長きに渡って共に作品を作り続けている。

これは興行的な成功だけでは決してなし得ないことで、本当の意味での幸運と3人の強い意志があって成り立つ奇跡だと思ってる。事実、Perfume を推してる間にも世間から見て十分成功しながら解散・引退・メンバー交代するアーティストを沢山見てきたし、むしろそれがこの世界では当たり前だった。だからこそPerfumeはアイドルと言う世界を突き抜けて1つの特異点として燦然と輝いているのだとも思う。

ファンたちはこの奇跡に熱狂し、特異性に心酔し、更なる期待を重ねていった。それでも自分の知る限り3人はそのハードルを常に越え続けていたように思う。これこそがPerfumeを推す大きな理由だったし、そこから沢山の勇気とモチベーションを貰ってきた。

一方で僕らはこの奇跡の持続可能性に対して目を逸らしていたような気もする。目を逸らしていると言わないまでも強く言及することは少なかったし、それ以上に未来への更なる期待を重ねてしまっていた。

まるで女神のような3人とて人の子である。僕らと平等に時間は流れる中で、3人は10代20代どころか30代の半分以上をPerfumeとして捧げてきてくれた。それが仮に3人の望んだ「成功・幸せ」だったとしても、やはりファンとして少しだけ不安になる部分があったのも事実だ。

ファンとは強欲で矛盾を抱えた生き物である。「1人の人間として幸せになって欲しい」という思いは疑いようのない本心だが、それでもなお目の前にいる推しを見てその進化を願ってしまう。

走り続けたPerfumeも、そこに負けじと熱狂していたファンも、これ以上加熱していつかオーバーヒートしてしまう前に一度冷やしてメンテする必要があったのかも知れない。

寂しくないと言ったら嘘になる。古参の人には敵わずとも気づいたら人生の半分近く「推して」いたわけで、Perfume の活動からエネルギーを貰っていることが当たり前になってしまっている。

「推しの活動休止」なんてこちとら初めてなのだから不安も正直ある。いわゆる「長く供給のない期間」とは如何なるものなのか。耐えられるものなのか。

それでも常に僕らの想像以上の奇跡を見せてくれた推しの「新しいPerfume」という言葉を今は信じて期待するしかないなと思う。あの3人が言うのだからきっとまた素敵な景色が見れるに違いない。

コールドスリープから目覚めると知り合いが1人もいなかったり、契約していた保険会社が潰れていたりするのが近未来SFのお決まりだが、ファンとしてそんな景色を見せるわけには行かない。

3人が目覚めるとしたらそこはどこか懐かしく暖かくて、それでいて冷えた体を一瞬で解凍するような熱狂であって欲しい。

だから今はギリギリまで推しの勇姿を焼き付けて、3人に貰ったエネルギーでまたいつでもファンとして走り出せるように暖気運転を続けていくつもりである。

@sajikix
ふろんとえんどえんじにあ / Perfume / ビール