デザインシステムの専門チームがあることで取れる戦略

sakito
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自分は2年前にデザインシステムの専門チームを会社で立ち上げた。

この話をすると太っ腹な会社ですね、余裕あるの羨ましいです、その環境贅沢じゃない?と言われることがある。これにはとても違和感を感じる。

所属しているプロダクトのデザインチームは全然余裕があるわけでもなく、必要性がないところに好きにチームを作れる訳でもない。自分たちは下の記事を参考にTeam Model #3: Federatedを意識しているので、デザインシステムチームが意思決定をして、開発組織全体でデザインシステムを成長させていく戦略でコミュニケーションをしている。

デザインシステム自体もエンジニアやデザイナーの効率を上げるためではなく、プロダクトの開発の効率を上げるために作っている。デザイナーじゃなくてもライブラリの組み合わせで新機能やページを作ることができ、デザインを言語化していることでデザインの歴史が途切れるのを防げる未来が着実に近づいている。詳しい効果や理由はnoteに書いている。

デザインシステムがあることでデザイナーは本質的でない作業(例:局所的なz-indexの考慮、実装背景、コンポーネント単位のユーザビリティ)を毎度しなくて良くなり、プロダクトをよくすることを考えることができる。もし、なにか問題があってもデザインシステムに還元すれば、複数人のデザイナーが享受できる。

デザインシステムがこうなることで、デザイナーの採用戦略にも関係し、デザイナーの人数規模も見直せる。デザイナーが増えたときの認知負荷や暗黙知も減り、プロダクトへ貢献できるまでのスピードが上がる。これはデザインシステムがあることでコストが減っていることになる。

デザインシステムを有志だけで立ち上げ頓挫したり、ただデザイナーを増やすことは避けれるような採用戦略が取れるデザインシステムを目指すために、デザインシステム専門のチームを作ったのだ。

@sakito
フロントエンドとデザインとデザイン組織周りのことをしてる犬