※これは3/25頃に執筆していた文章です。
「1度精神を壊すと完全に元の状態には戻らない」。誰かが言っていたのを、いま身をもって体感している。
無論、人間みな何もせずとも老いていくような不可逆さを持ち合わせている道理を思えば、あまり悲観しすぎることではない。ただ、今まで二十云年かけて築き上げてきた人格なり、性質がガラリと変わってしまうのはなんとも奇妙な面持ちである。
変化した自分を受け入れる、というのもひとつの手だが、可能であれば元の自分に戻っていきたい。そのためにも、以前の私と現在の私で何が変わったをここに錨として記しておこうと思う。
なお、以下の変化は所謂うつ状態や身体の不調から来る症状もあると思われるが、どれが長期的な変化でどれが短期的な症状なのかはまだ見分けがつかないので、あくまでいま現在感じていることを記録として綴っていく。
変わったこと①元気と不調の割合
何よりも変わったのは一日、あるいは一週間のうちで「元気だ」と思える時間が明らかに減ったことだ。
まぁ心身の不調で休んでいるのだから当然の変化なのだが、なにせ休んでいるのに調子が悪い。
もともと心身ともに下り坂になりやすい性質ではあるが、精神に関してはどれだけ凹んでも泣いてもぐっすり寝ればつぎの朝には元気なるし、身体の不調も要因(天候や月経期など)が過ぎ去ったり、しっかり睡眠を取れれば復活していた。しかし今回に限ってはどれだけ睡眠を取っても飯を食べても調子が悪いので、正直困り果てている。
割合で言うのなら、以前が【元気4割、普通4割、不調2割】だったとしとら、今は【元気2割、普通2割、不調6割】といった感じだろうか。
働いていない状態でこれなのだから、復職したらどうなってしまうのだろうと今から戦々恐々としている。(休養によって多少は和らぐと信じる。)
変わったこと②外に出たく無くなった
自分に起きた変化の中で、最も予想外だったのは、「外に出たくない」「帰りたい」と思う頻度が増えたことだ。
元来わたしは「趣味はインドアだが性質はアウトドア」と形容すべき人間で、友人と遊んぶのはもちろん、ひとりきりの作業のときもカフェなどの人がいる環境でするのが好きだった。もちろん散歩も好きだし、嫌なことがあった時には、宛もなくウィンドウショッピングなどをして気を紛らわすことが多かった。
休職に入る直前には「休職期間は体力保持も兼ねてまいにち散歩をしよう」などとぼんやり考えていたのだが、実際には予定のある日以外はできるだけ家に籠る生活が続いている。
外に出ないのは、運動(散歩)をしたくないという怠惰も起因しているが、「外に出るのがめんどくさい」というよりは「外に出るのが怖い」という気持ちが大きい。
数ヶ月前の私にこれを打ち明けたら『怖い?!外に出るのが?!』と素っ頓狂な声を出されること間違いない。家にいるのが嫌とかではなく、ただただ外に出るのが好きであちこち遊びに出かけたり散歩をしていた私にとっては、それくらい青天の霹靂だったのである。
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「外に出るのが怖い」には、まさにパニック障害が関係している。
私のパニック発作は主に屋外、それも移動の最中がほとんどである。仕事でもプライベートでも都内まで1時間半程かけて通うことが多いので、体調が悪いときなどに「この状態で家まで帰れるのだろうか」という不安がトリガーとなってしまう事が多い。加えて休職によって定期的に(そして強制的に)外に出る事がなくなると、今度は「外に出て発作が起こったらどうしよう」という不安も重なるようになった。
また、ショッピングモールや駅など情報量の多い場所では不安感が強くなりやすい傾向にあるようだ。イヤホンなどで聴覚を遮断したり、全く別の考え事をすることで少しは軽減できるが、可能であればそもそもあの不安感を感じたくない。
このような外出へのハードルの高さは、今後も改善はすれど以前のようには戻らないだろうと漠然と感じている。
変わったこと③情報を処理できなくなった
「今までできていたことができなくなった」という点では、情報処理能力の低下も感じた。あるいは、情報処理に限らず、集中力自体が低下しているのかもしれない。いずれにせよ、一度に飲み込める情報の量が明らかに減った。
具体的には、普段10分ほどで終わらせていたはずの仕事でタスクの整理にものすごく時間がかかったり、駅や電車内の広告の文字がうるさく感じたり...といったものだ。
一方で、本や記事など自分のペースで得る事ができるものについては問題なく処理できている。特に本に関しては以前より時間が取れることもあり、ゆっくりと読書を楽しめているので、心持ちや周りの環境に依るものかもしれない。
変わったこと④文章を書けるようになった
できなくなった/するのが大変になったことがいくつもある一方で、できるようになった/前より楽にできるようになったこともある。その一つが、文章を残せるようになったことだ。
以前はブログや記事を書こうと思っても、うまく言葉が出てこなかったり、そもそも何を書けばいいかわからない、という状況だったが、休職後は人と喋る機会が減ったからか、はたまた込み上げる思いがあるのか、スラスラとこの文章を書く事ができている(読みやすいかは別として)。
元々記録を目的として書き始めたものだったが、初めて見ると書くことで心がすっきりとする効果を感じられているので、今後も続けていきたいな、と思う。