奥羽本線の板谷峠越え区間の駅たち

 久しぶりに駅の話題です。10月31日(木)、奥羽本線の大沢駅は利用者稀少のために12月から全列車が通過となることがJR東日本のプレスリリースにより発表されました。

 奥羽本線 大沢駅の全列車通過について

 SNS等でも話題になっていますが、これによって大沢駅は廃止になる可能性が非常に高いでしょう。同じ路線にあった赤岩駅や、北上線の矢美津駅と平石駅も、同じような措置を経て廃止となっていますからね。

 大沢駅が属する奥羽本線の板谷峠越え区間の途中駅は、利用者が非常に限られ、普通列車の本数も非常に少ない区間となっています。前述の通り廃止となった赤岩駅と、板谷駅、峠駅、大沢駅を合わせた4駅は元スイッチバック駅として知られ、今も現役の板谷・峠・大沢の3駅は、現在も旧ホームが残された非常に味のある駅となっています。大沢駅が全列車が通過となる前に一度は訪問したいという方も多いかと思いますが、列車の本数が非常に少ないですので、思い立ったらすぐに行けるかと言われると非常に厳しいです。

 私は赤岩駅が廃止となったあと、他の駅にも同じ流れが広がらないかと懸念し続けていたため、板谷、峠、大沢の元スイッチバック3駅は早いところ駅訪問しておきたいなと長いこと思い続けていました。そして去年の7月、ようやくタイミングが合って行くことができて一安心していたところでしたが、訪問した翌年にこの措置が決まってしまったことはちょっと複雑な思いではあります。。。

 まあそんな感じなんですが、せっかく静かな大沢駅を訪問することができたので、簡単に紹介していこうと思います。

 いきなり森の画像が出現しましたが、これが大沢駅の入口になります。この画像ではフレームアウトしていますが、スイッチバック時代はこの画像の右側に駅舎が建っていました。今は完全に自然に帰ってしまっていて、元駅舎を見ることはできなくなっています。

 駅の入口の画像にも写っていますが、入口にはホームへの行き方が書かれた案内図が立っています。駅の入口は旧ホームとなっていて、旧ホームに向かう線路を歩いてホームに向かうように赤い矢印が引かれています。ホームを覆うのが「スノーセェット」と書いてあるのが何とも言えず味がありますね。本来は「スノーシェッド」なんでしょうけど。看板も色あせてますし、相当昔から立っている案内板であることが想像されます。

 駅の入口を入って旧ホームを見ます。右側が旧駅舎側、つまり入口側の旧ホームで、左側が旧駅舎と反対側のホームです。旧駅舎と反対側の線路の部分が綺麗に塗装されていて線路がなくなっています。

 上の画像から逆を向いた様子です。案内図の画像で言うと、入口から入って左に進んで赤い矢印と同じ方向を向いている感じです。旧ホームと同じように線路があったところは綺麗に舗装されていて、現ホームまで続いています。

 上の画像のスノーシェッドをくぐってしばらく進んで振り返ったときの画像です。左にカーブしている線路は旧ホームに向かう線路なので、今は使われていません。右端に写っている線路が現役の線路です。駅の入口から結構歩いてようやく現役の線路が現れる感じで、結構遠いです。

 上の画像の位置から振り返ると現役ホームが見えてきます。案内図の通り現役ホーム全体はスノーシェッドに覆われています。ホームは相対式で、上下ホーム間は画像にも写っている構内踏切で行き来します。

 ホームの様子です。画像の左奥が駅の入口側、要は旧ホーム側です。

 駅名標です。昔から変わってない印象です。

 大沢駅の時刻表です。冒頭に言った通り、この区間を走る普通列車は非常に少なく、上下6本ずつしかありません。朝の7時台と8時台に上下1本ずつ走っていますが、上下列車の組み合わせによっては、この朝の列車での訪問だと駅の撮影時間が全く足りません。私はどうしたかと言うと、隣の峠駅から8時台の下り列車に乗り、8時40分に大沢駅に降り立ちました。ここで時刻表を見ると、「ん?お前は何を言っているんだ?」といった感じになりますが、午前中最後の停車列車で降りたというわけです。そして40分ほどかけてゆっくり駅を撮影したあと、次の列車まで4時間待っているわけにもいかないので、歩いて隣の関根駅に向かいました。こうでもしないとこの区間の駅訪問を効率よく進めることはできない感じですね。

 そんなわけで簡単にですが大沢駅を紹介してみました。SNS等では、峠駅と板谷駅もそろそろ廃止になっちゃうんじゃないかと言う話をしている人もいますが、この2駅は今のところ大沢駅とは若干事情が違うんじゃないかなと思ってます。

 まず峠駅ですが、駅前に峠の茶屋というお店があり、板谷峠越え区間の名物である峠の力餅が作られています。そして今でも画像の通り、列車の到着に合わせてホームで力餅が売られているのです。列車ではなく、車で茶屋に行く人もいて、日中は茶屋訪問ついでにホームを撮影する人で結構にぎわってる駅です。

 次に板谷駅ですが、2枚目の画像にちょっと写っていますが、駅前にちゃんと集落があって、大沢駅のような誰もいないといった感じの雰囲気ではないです。

 現役ホームの前にはログハウス風の待合室が建っていて、夕方の列車の前にはハイキングを終えて駅にやって来る人が待っていたりします。

 そんな感じで峠と板谷は今のところすぐに廃止されるような状況ではないのかなというのが自分としての感覚です。

@sakurakou
福島県相馬市出身、千葉市中央区在住。※既婚のアラフォー男。底辺SE。東北大学数学科卒(高校数学教育免許保持)。趣味は降り鉄(駅訪問)。現在2000駅ほど訪問済み。全都道府県で1つ以上下車駅があり、全都道府県で1回以上宿泊経験あり。好きなもの:ジェフ千葉/ジェフレディース/アルティーリ千葉/バルドラール浦安/千葉ロッテマリーンズ/浅倉大介/木村由姫/Fayray/我那覇美奈/入倉都/玉城ちはる