サッカーのサポーターのお話。
「あなたは何サポですか?」そんな問いをSNSで見かけた。この問いは、どのクラブを応援するか?ではなく、どのジャンルに属するサポーターか?という質問。
サポーターには色んなジャンルがある。
箱推し(全員推し)、個サポ(特定の人推し)、コアサポ(応援の中心)、遠征芸人(アウェイ旅の強者。褒め表現)などなど。
私は、この問いに対して考え込み、結局、反応できなかった。推しの選手は居るし、遠征も好きだ。が、しかし。私自身の事を特定のジャンルに当てはめられない。スタジアムグルメも大好きだし、サポ仲間・他サポを問わずサポーター同士の交流も楽しみだ。スタジアム自体にもホーム・アウェイ問わず愛着がある。
では、どれがメインか?そう問われると、答えに詰まる。多少の濃淡はあれど、私には「これが一番!」と押し出せるジャンルが無いのだ。
だからといって、特に恥ずかしさや尻込みする気持ちは抱いていない。ジャンル分けは、いわば分かり易い個性の自己紹介であって、他のジャンルを排除することを意味していないものと心得る。先ほどのSNSでの問いも、ジャンル分け自体に深い意味を持たせていないと思われる。
要は、好みは各自それぞれだけど、結局は同じサッカー好きの同志。異なる好みがあるからこそ、交流すると新たな魅力を見つけられる。サポーター同士に限らず、選手、スタッフ、出店舗のスタッフとの交流も嬉しいし、楽しい。サッカーという共通の話題や価値観で繋がる縁。私は、そういう縁が、たまらなく好きなのである。だから、「あなたは何サポ?」という問いも、縁が生まれる入口だと捉えている。
試合は、真剣勝負。自然と熱くなる。当然、負けたら悔しいし、悲しい。だが、私は、そういう感情もひっくるめて楽しみたい。サッカー観戦は、決して苦行ではないのだから。楽しんだもの勝ちだ。
こうして語ってみると、私自身のジャンルも見えてきた。私は、「色々わちゃわちゃ楽しむサポ」だ。私が作った独自のジャンルだけど。
それを踏まえて、この文章を読んでくださった皆さんに問うとともに伝えたい。
あなたは何サポ?
そっか。それなら、そのジャンルの話をぜひ聞かせてくれませんか?そして、一緒に楽しみましょう。サッカーを通じて縁を結んでくれませんか?
【了】