自分でもネットがなかった頃の過ごし方を忘れてしまった。
一番楽しかった頃はね、確かお兄ちゃんと話しながら床に寝転がってDSiしてたな。ニンテンドーEショップでアプリ落としまくって、プリクラ風のゲームしたり、水族館を模したアクアリウムで電子の魚を眺めたり。
YouTubeもあったけど見れないし存在も知らなかったから、自分の好きな物をとことん掘り下げて調べるなんてことが出来なかった。出来なかったけど、暇な時間すら楽しかった。お兄ちゃんと深夜アニメ見たり、友達の話聞いたり。馬鹿みたいなことで笑って、二時とか余裕で過ぎていく。気が付いたら朝になっていて、眠気が来たら眠る。小学生だったから規則正しい生活を強いられていたから、長期休みに好きなことをしながら好きな時間まで起きられる特別感が大好きだった。
面白くない生活の中で、自分が自由に好きなことに打ち込める時間がとても楽しかった。でもいつの間にかそんな自由すらどう過ごしていいか分からなくて、暇を持て余すようになっていた。
自分の頭の中を喜ばせるために刺激的な情報を探して、暇な時間を「悪」だと感じるようになった。何の躊躇いもなく好きなことやって、好きなことで時間潰して、好きな時間に寝るあの時間が特別だった。
あの暇すら乗りこなせるような輝かしい時間は、もう戻ってこないように思う。子どもの時は大人になりたかったけど、制約の中で生きていた方が楽しかったのかな。
暇を暇として楽しめるのんきな考え方、戻ってこないかな。