視聴週報 20240108 - 20240114

saq
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●Kuzuha Solo Event “Kaleidoscope”【#にじフェス2023】(葛葉)

コウの出演部分を目当てに、アーカイブ期限日に駆け込み視聴(上のリンクはYouTubeだが観たのはニコニコ)。ウミユリ海底譚も勿論だが、会心の一撃が個人的にはよかった。野田洋次郎の良くも悪くも過剰なところがキャラソン的な文脈のなかで輝いたような気がする。そしてまっとうにカタオモイでときめき、GLAMOROUS SKYで沸く。特に後者は、背景に葛葉の影を映すスポットライトの演出とか、スタンドマイクの扱い方とか、王道のロックテイストがあるステージングが印象に残っている。

●ぶいあーる!〜VTuberの音楽Radio〜 第34回 緑仙、ギルザレンIII世が登場!

星街すいせいがMCを務めるNHK-FMの番組「ぶいあーる!」に緑仙とギル様がゲスト出演した回。委員長のAround The Worldが流れたと聞いて見逃し配信を視聴(現在は公開終了)。ちょうど年始から地上波ラジオに興味を向けていたのだが、YouTube上のコンテンツに慣れていると、話題にしていた曲がそのまま流れることが新鮮で楽しい。VTuber音楽の有識者として招かれたギル様による評がいずれも簡潔かつ的確で素晴らしかった。たとえば委員長のAround The Worldを年間ベスト歌ってみたに選出した理由は「原曲の再構築による”月ノくんらしさ”の表現がVTuberのなかで突出していたから」だと言う。

また、緑仙が「アフターユ」を年間ベストに挙げた長瀬有花に関して「バーチャルと言うか否か、いろいろあると思うが、僕自身は”気持ちを伝える表現の方法のひとつ”だと思っている」と述べると、ギル様は「VTuberかどうか判定に悩むこともあるが、そのフラジャイルな部分もVTuberの魅力だと思っている」と言葉を返した。ギル様が完全にVTuberを俯瞰する視点に立っているのは笑えもするが、緑仙のプレイヤーとしての実感と、ギル様の二、三歩引いた批評性の両側から、長瀬有花、ひいてはVTuberの輪郭が浮かびあがる会話だった。番組中では「本でも出そうかな」とおどけていたヴァンパイアだったが、本当に何か書いてくれないだろうか……。

●【行間ラジオ #4】恐れるな、面接を。【栞葉るり/にじさんじ】

あからさまにラジオづいている。生配信に比べれば密度の高い数十分のラジオ動画は、生活の隙間にサプリを補給するような感覚で視聴できる。ちょこっとなラジオをいくつか聞き返したあと、ふいに存在を思い出して栞葉るりさんの行間ラジオを聴いた。栞葉さんは気になりつつもなかなか生放送を観るタイミングがなかったので、そういう意味でもありがたい。言葉の端々に迸る知性と善性がやはり魅力的だが、その善性も「相応しいもの」として選択的に電波に載せているだけで、けっして屈託のないひとではなさそうな雰囲気が好きかもしれない。水曜19時の定期更新らしいので(なんと生真面目な……)、失われた曜日感覚を取り戻しつつ今後も聴きたい。面接失敗エピソードは大半が最終的には成功しててキレた。

●❔『人マニア』 - Cover 花芽すみれ

人マニアの歌ってみたがほとんど飽和状態にあるなかで新たにこれが出てきたのが凄い。とりわけMVが、原曲や先行作品群の文法を引き継ぎつつ新たな解釈を示す感じでいいと思った。また、そこには動画の不完全な部分を一種の批評性に変えてしまう人マニアという楽曲の魔力も感じられる。すーちゃんの声質・歌唱とMV、ないし友情出演の人選を通して、インターネットの新たな場所(もっとストリーマー寄りの部分)が切り込まれたような印象。これを観ると委員長のものも見返したくなるし、その後またこちらを確かめたくなる。どちらも私の好きなインターネットである。

●【 初配信 】諸君、初めまして!【 領国つかさ / すぺしゃりて 】

デビューの告知を見てから気になっていたすぺしゃりての新人。情報感度の低い私にさえ引っ掛かるものは多くのひとも目をつけているらしく、どうやら初配信は盛況だったらしい(私は少し遅れてアーカイブで視聴した)。個人的に刺さったのはそのプロフィールであり、内容は以下の通りである。

「15歳の中学3年生。陰キャで傲慢不遜な女の子。 教室では一人でお弁当を食べるような日陰者だが、インターネットではイキイキしている。自分が悠々自適に過ごせる「最強の国」を作りたいと日々妄想しており、軍服を着て輩下を探している。」

一般中学生が軍服を着てインターネット上でイキイキする構造にはサロメ嬢や石神と同じ二重性がある。そこに内包される「憧れ」の傾きが私は好きなのだと思う。「国を作りたい」というある種の閉鎖的な夢もよい。そして初配信では、このプロフィールから受ける印象の通りに喋っていたから嬉しかった。歌も達者なようで(人マニア……)今後が楽しみである。好きな作品リストの末尾に少女終末旅行がひっそり挙げられていたことと、公式サイトの好きなゲームジャンルにADVと書かれていたことを私は見逃していない。

ガキすぎる。あとNetflixがファミリーアカウントなのもガキすぎる。願わくば健康な心身とともに配信を続けてほしい(初速がすごいVTuberに対して常々思う)。

●Vtuberに直接ファンアートを見せよう!(西沢5ミリ/ヘアピンまみれ)

駅の改札で待ち合わせをするシーンのピンまみが爆イケすぎて動揺。ピンまみは実写も多く含んだ活動形態だが、それでもリアルのひとと交流しているさまを見ると不思議な感覚になる。いい動画。

●後で見る(抜粋)

【 ミリマス 】ワクワク推し探しの巻! ぶいすぽっ!/紫宮るな 】#PR

【定期配信 / ナナバナ】#63 身体中が痛い【VTuber/茅花なな】

【ダブルキャスト】プレイする選択式ホラーアニメ?!ダブルキャストやってみます! #1【周防パトラ】

●雑記

年始に引き締めていた気が早々にゆるみ、すべきことは進まず、生活習慣も乱れた一週間だった。セロトニンが足りていない……という胡散くさい直感から連想して週の半ばに委員長のしあわせホルモンの動画を久々に見返し、それをきっかけにウォーキング的なことをするようになった。散歩はもともと好きだったが、軽く息が上がるくらいの速度で歩くと身体の充実感がやはり異なる。

学研の図鑑を見るとヘアピンまみれを思い出す。それで健康的になったかと言えばそんなこともなく、深夜に家を出て国道沿いまでスタスタ歩き、24時間営業のラーメン屋に寄ったりしている。そこで小清水のモンハン配信を観ながらラーメンを食べていた時間が今週の幸福なハイライトなのだから、昼夜逆転した生活に甘んじてしまうのも仕方がない。