忍ミュ4弾(初演)感想

saq_vv98
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公開:2023/12/24

相互さんのお心遣いでDVDを貸していただき、拝見しました。

面白かった…!!忍ミュ4弾が好き、という声が多いのも納得でした。

個人的に、2011年版の劇場版アニメ『全員出動の段』に雰囲気がすごく近いように感じます。ギャグや場面転換の「ふふ」となるような面白さがありながら、彼らが戦乱の世に生きていることや身近な人の死の可能性を感じさせるストーリーになっており、またそういう歌詞やセリフも多くて。シリアスなんだけれど重くなりすぎず、な塩梅がとても好きでした。忍たまっぽい…。

プロローグでくの一三人組によるキャストさんのお話から始まったんですが、渡辺さんは当時からイジられやすい方だったんですね…笑 あと、樋口さんがとても滝夜叉丸で。「自分のことが好きですか?」という質問に対して「はい!」と即答したというエピソードを聞いたときからナチュラルボーン滝夜叉丸だなとは思ってましたが、本当に…生まれながらにして滝夜叉丸だったとは…。

いろいろ書いていると長くなるので。ポイントを3つに絞って書きます。

【1.忍ミュ13弾学園祭、六年生単独、ありがとう】

2023年7月に行われた六年生単独では過去キャストさんも、プロ忍としてではなく現役の彼らとして戻ってきて、過去曲を歌われましたね。そして12月に行われた忍ミュ13弾学園祭ではイントロクイズが実施されましたね。4弾を観ていて、「六単で聴いた!」「イントロクイズで聴いた!」と思った曲が何曲かあったんです。

テンションが上がりました。上がりましたし、六単を演出した反橋さんが、忍ミュが、過去の作品を、キャストさんを、応援してきた方々をも大切にしたい、繋げてこられたことに感謝したい、と思っておられることがよくわかった気がして、グッときました。素敵ですね。4弾を観る前に、六単と13学で知れていてよかったなと思います。

【2.戦乱の世に生きるということ】

OP曲『始まりの時』。

「僕らが生まれた時代はけしてけして平和とは言えない」「だけどどんな時も友がいる 仲間がいるのさ」「争うこと 戦うこと ぜんぶ仕事と割り切るさ」「涙流してはいられない それが忍者の宿命(さだめ)」「負けるはずない くじけぬ思い」「冷めたこの手に血が燃える」「強い心 優しい気持ち 教えてくれる人がいる」「いつか別れの時がきてひとりぼっちになっても忘れはしないよ」「いつまでも それまでは一緒に頑張っていこう」

これだけで4弾の世界観を説明できてしまうのがすごいなと思います。OP曲にふさわしい曲…。戦乱の世に生まれ、そんな中でも学園で出会った友や師との思い出を胸に生きていく彼らの眩しさに胸が苦しくなりました。

別の弾の話になってしまうのですが…。10弾の曲『愛しき者よ』の「愛しき者よ この先君が歩む道 苦しい時は空を見上げて」「風に吹かれて歩いてゆこう きっと涙も乾くから」「愛しき者よ 忘れないで」という歌詞と、12弾の仙蔵のセリフ「残酷なことにも目を瞑り、実行せねばならないときもある(うろ覚えです…)」というセリフと正心の話が私は好きで。

4弾のOP曲『始まりの時』はこれら二つを思い起こさせました。忍者として生きる以上、残酷なことに目を瞑らなければいけないこともある。それが仕事だから。けれど、強い心、優しい気持ちを教えてくれた人がいる。その人達との思い出が、日々が、人生の一部となってくれる…心を支えてくれる。そういうものを感じて、グッときました。

本編の話に戻ります。

忍者の三病のうち「敵を侮る病」にかかった七松と潮江、その二人とともに実習していた仙蔵が、ドクタケの最新武器・歯輪銃(火縄が不明なため火縄が爆ぜる音もなく煙も出ず、気付かれにくい)によって撃たれ、行方知れずになってしまいました。長次と食満、伊作、そして滝夜叉丸、三木エ門、喜八郎は、その3人が行方知れずになったことを知り、「生きていると信じたい」と悲しみます。

長次、食満、伊作の三人による『お前たちがいなければ…』という曲。3人の無事を信じていたい、死んだことを受け入れるわけにはいかない…。「共に過ごした大切な日々」「心に刻む 友の名前を」「こんな形で終われはしない」…彼らにとって、学園で、友と過ごした時間がどれほど大切で、心安らぐ場所であるのか…そういうことが伝わってくる曲で。実はこのとき観客も3人の無事を確認できていないので、彼らの悲しみに感情移入できる構成になっていて。

だからこそ、その直後に流れる『不死身の忍者』は胸が熱くなるんですね。

「俺達は戻ってきた 暗い闇の淵から」「忍の使命に燃えて」「強い気持ちが支えてくれた 不死身の忍者と呼んでくれ」

ただ生きていたことが分かるわけではなくて、カッコいいイントロと共に3人が登場するのがたまらないんです。ヒーロー登場!みたいな感じで。ベースもドラムもですが、ギターがカッコイイですね、良いです…。これでテンション上がらない方が無理ではというくらいです。

「私たちは死なない けして死んでたまるか 不死身の忍者と呼んでくれ」

これが学園祭で流れたらこんなの…黄色い悲鳴を上げてしまう…。

この曲の中で3人の紹介がされるんです。

「底なしの体力 途切れぬスタミナ」「備えあれば憂いなし100パーセントの男 毎日が忍者」「静かな心 冴えわたる英知 ぶれることなどない いつもクールさ」

10弾…!!『愛しき者よ』…!!(すぐ結びつけてしまって…ごめんなさい)「風よ吹け 吹き荒れろ」「忍の炎よ 天焦がせ」「熱き心に秘めたもの」の歌詞がこの3人によって歌われるのがたまらないなと改めて思いました。これらの歌詞が、潮江、七松、仙蔵らしいなと感じているのですが、その「らしさ」が、『不死身の忍者』で簡潔に説明されているように思います。

私は落乱の山田先生の「必ず生きて帰らねばならぬ」というセリフが好きなのですが、『不死身の忍者』にはそれを感じました(『愛しき者よ』も、それに近いものがあるように感じています。「お前達が強くなければ、愛しき者を誰が守るというのか」という問いのストーリーでもあり、曲でもある…)。

4弾を好きな方が「この曲が好き」「聴きたい」と仰っていたのも納得でした。

本編に話を戻します。

『不死身の忍者』によって、観客は3人が生きていることとドクタケ忍者に変装してドクタケに潜入していることを知りますが、本編の彼らは3人の生死を知らない状態のまま物語が進みます。

3人に変装し学園に潜入したドクタケ忍者達(変装が汗で溶けているので丸わかり)が乱きりしんを人質にとり、ドクタケ忍者に扮する七松、潮江、仙蔵の協力によって学園を去りました。

それを先生と六年生達が追いかけるのですが…四年生は学園に残るよう指示されます。これに対して三木エ門が「私達が弱いからですか。先輩の仇を討ちたいのです」と食い下がるのがすごく良くて…。

三木エ門なんですよね。ああ潮江の後輩だなあ、なんて考えてしまいます。

それに対して学園長が、「小平太、文次郎、仙蔵に鍛えられたお前達が簡単にやられるはずはない」「だがな。戦いは命のやり取りになるだろう。お前達にはまだまだ早い」と諭すのが、もうたまらなくて…!!

学園長が四年生を「守るべき存在」として認識しているのが、六年生を「任せられる存在」として認識しているのが良いんですね。そして山田先生を「戦働きの達人」と呼ぶのも…。

戦を、血を、死を、ここまで匂わせてくるか、と思いました。そういう意味でもグッときました。落乱の、忍たまの、映画の「ギャグでありながら、戦乱の世の厳しさを匂わせる空気」が好きな私にはたまりませんでした。

【3.先輩と後輩】

戦乱の世で生きる厳しさを描きながらも、六年生と四年生の間にある関係性や委員会の絆を強く感じられる話でもあったように思います。

『先輩の記憶』。

滝夜叉丸と三木エ門が歌った後、「先輩達からは苦労をかけられた」とぼやき(?)ます。それを聞いた綾部が「苦労をかけられた? 先輩にかけられた苦労で鍛えられたお陰(でドクタケに襲われても対抗できたん)じゃないのか」「先輩達の教えのお陰でじゃないのか?」と問いかけ、綾部のパートが始まるのですが、綾部のこの言葉がとても素敵でした。

確か9学の四年生ゲスト回でこの曲を聴いたことがあったのですが、3人が直属の先輩のことをどう思っているか…そういう曲だと思っていたんです。だから、正直今ほどはこの曲が刺さっていなくて…。でも、綾部の「先輩達にかけられた苦労のお陰で、教えのお陰で、鍛えられたじゃないか」という問いかけのお陰で、彼らの先輩との思い出がどれほど重いものなのかが伝わってきて。4弾を観られて良かったと思いました。

「委員会直属の先輩が、亡くなったかもしれない。生きていてほしい…」という流れで聴いてようやくしっくりきた気がします。何も知らない状態で聴くのと、その文脈を知っている上で聴くのとでは全く異なりますね。

先輩との思い出の曲という観点で聴くと、「いつの間にやら いけいけドンドン」「私にもできた目の下のクマ」「忘れられない強い信念」という歌詞に、誇らしさのような、憧れのような感情さえ感じられて。だからこそ「だから嘘だと言ってくれ」という歌詞が刺さりました。

そしてこの曲があるからこそ、三木エ門の「(戦に参加させてもらえないのは)私達が弱いからですか」「仇を討ちたいのです」という怒りが、強い意思が、より一層グッときますね。佐藤流司さんのお芝居から感じられる力強さもあるのでしょうが…。

本編に話を戻して。ドクタケ忍者隊の作戦は「学園の下に向けて穴を掘って進み、学園の下に大量の火薬を置いて爆発させる」というものであったことが判明します。

仇を討てない悲しみで綾部が穴を掘りまくった結果、ドクタケの掘った横道と繋がり、大量の火薬を発見。火薬を横道の入り口に移動させたことにより回避しました。この件に対する仙蔵、潮江、七松の対応がとても彼ららしくて。

仙蔵はただ褒めるだけなのが、長所を伸ばす方針であること、「良いところを伸ばす主義だ」という発言とも繋がりますし、潮江は「忍者たるもの上の命令に背いてはいかんぞバカタレが!! …しかし、よくやった」と褒めるのが、厳しくもあり優しくもある上官という感じがしますし、「この(大量の火薬を運んだ)程度で疲れたとは、体育委員会としての自覚が足りんようだな」と言いつつ一日は休むように指示する(それも一日だけなのがまた…)のが良いですね。

委員会の中で感じた苦労を、それによって鍛えられたこと、思い出が描かれた後に『苦労は報われる』という曲が流れるのもまた良いですね。

「たまには空しくなることもある」「悲しくなることもあるだろう」「でもそれは成長の証」「いつか報われる日が必ず来るはずさ」

先輩が厳しくも優しく彼らと接すること、それにがむしゃらにでもついていこうとすること…互いを思う気持ちが、それもきっと糧になるのだというメッセージが素敵でした。

【まとめ】

面白かったです。とても忍たまらしくて、素敵でした。

舞台が今とは全然違っていて…12再のゲストとして来られた椎名さん(伊作役。アクロバットのジャンプがとても高い)が「今はもうすっごいお金かかってるね…」みたいなことを仰ったのも納得でした。

戦乱の世に彼らが生きていることを強く匂わせながら、それでいて重くなりすぎない塩梅がとても良かったなと感じました。

観られて良かったです。

長い感想でしたが、お付き合いくださりありがとうございました。