つい2年前まで自分がかわいいものを特別好むと知らなかった。人に指摘されるまで思ってもなかったから大変驚いた。なんかかわいいものは全人類好きだろうくらいのどでかい認識を抱えていたらしい。普段かっこいいひとがかわいいものを好むのを恥ずかしがるというシチュエーションにピンとこない訳が分かって納得した。全人類好きなものを好いてもおかしくないだろうという理論である。
マスコット的ないきものたちは書き始めて4年に向かっている。最初に描いたのがえびのようないきもの。
お絵かきのことはもともと好きだった。といっても図画工作や授業中のらくがきが好きというレベルである。買った板タブもしばらく放置していた。
二次創作をやってみて絵がうまくなりたいなと思ったとき、圧倒的に経験値が足りないと感じた。スタートダッシュが遅いのだから完成させる回数を増やすことにした。
やってみて、完成させて、満足して、反省して、観察してというサイクルを回すことで経験値を稼ごうとしたのである。
そこで目を付けたのがマスコットだ。曲線の練習にもなるし、時間はかからない。人間を描く前の手慣らしにもいいと思った。大変認識が甘かった。
はじめて3日目ぐらいで、同じ構図・ポーズばかりでは飽きるし面白くないと分かったのだ。白い背景にマスコットがドーン!といてうれしいのは最初だけで、なんとか今まで描いたものと被らないように頭を捻って毎日キャンバスに向かっていた。
マスコット業界が今日はなんとかの日をよく取り上げる理由がよく分かった。余談だがX(旧Twitter)のカピバラさんアカウント(サンエックス所属)を今では尊敬している。毎日新規絵が欠かさず出てくるのは本当にすごい。
幸いかわいいと構ってくれるフォロワーがいたこともあり、えびのようないきものは213枚と豆本二冊分描いた。
かわいいものは美しい曲線がまず必要である。美しい曲線を引くには手首・肘・肩の回転が重要だ。色もなるべく付けた方がいい。物語性を出すなら背景も欲しい。似た/似てないものを追加すると関係性が生まれる。季節ネタは格好のチャンスである。
そういう学習を積み重ねてはいるものの、かわいいの道は険しい。でもかわいいものは健康にいいので続いている。多分これが好きというやつなんだろう、とようやくしみこんできている。
さて、ここまで読んでマスコットなんて簡単だと思った貴方。確かに実在するいきものより単純で1枚描くのに時間はあまりとられない。ぜひ毎日描いてみないか?きっとカピバラさんのアカウントを尊敬することになる。
カピバラさん公式アカウント:https://twitter.com/FROM_TRYWORKS