捨てる

sasakisaki
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ちょっと用があり、実家に帰った。前々から『実家にあるもう読まない本とかなんとかしてよ』と言われていたので片付けも兼ねて帰った。片付けてたら『え、急にどうした。なんかいなくなる準備を始めたのか』と言われた。いや片付けろってさんざん言ってましたやん。。

多くは学生時代の参考書とか授業のノート。昔から書くことで頭に入れていたのだろう、大量のノートが出てくる。必要なことはもう頭に入っている。あんなに苦労した解剖学。だいたい頭に入っている。そう考えると脳はすさまじいハードディスクだ。小学生の頃の作文が出てくる。ちらっと目を走らせるがどうやら黒い歴史のようなので葬り去る。大量の音楽雑誌が出てくる。どうやらB'zが表紙のものは欠かさず買っていたのだろう。飽くなきオタク魂、尊敬する。実習生時代のレポートが出てくる。毎日こんなことするなんて狂気の沙汰であるが、学生時代はなぜあんなにも頑張れたのだろう。

いろんなものを容赦なく葬り去っていたら『無理に片付けなくてもいいのに』と父が顔を出した。私にとっては不要なものだが、父にとっては違うのだろうか。『今んとこしぬ予定はないよ』と笑って話したが、あと両親と過ごす時間はどれくらい残っているのだろう。きっとそんなに多くはない。そんなことを考えながら固く紐を縛った。