作業時間がかかることを受け入れる

Junichi Sato
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昔から思っているのだけど、いいものを作れるかどうかに必要な要素として、作るのにかかる膨大な時間を受け入れているかどうかがあると思う。

もちろん知識やスキルの要素もあると思うのだけど、膨大な作業時間を本心で受け入れているかどうか、というメンタリティの要素が実は大きいのではないかと思う。

昔、僕は以下の動画を見てかなりのショックを受けた。この方は半年間迷路を書き続け、最後に燃やしてしまう。

この動画はほとんど精神力との戦いだけど、こういうことが実行できるかどうかの精神力が、ものづくりには必要なのだと思うようになった。

自分の場合で考えてみると、プログラミングを覚えたてのときは、バグでなかなか動かないみたいなことがあると、1日無駄にしてしまったように感じていた。最近はこの程度はもはや何も思わなくなったし、なんなら1日で終わればラッキーと思うかもしれない。経験を積んだ結果、作業そのものに対する苦痛に鈍感になってきたように思う。

そうなると、何かものを作るのに半年とか1年とかの期間がかかるのは普通という感覚になってくる。そういう感覚になって、はじめてそれなりに大きなものを作れるようになったきた。僕の場合は10年くらいやってきて、ようやくそう思えるようになったかもしれない。

だけど、たまにこの痛みに最初から鈍感な人がいて、そういう人は、いきなり超大作を作り上げてしまったりする。そういう人は色々な分野で、何を作ってもすごいものを作り上げてるイメージがある。

そういう作業量に対する先天的な苦痛への耐性が、ものづくりの才能なのかもなあと思う。

@sat0b
ソフトウェアエンジニアです。 @sat0b