ふだん言わないし、どこかに書いたこともないけど、僕はいわゆる色弱で、僕の場合は赤と緑の色の違いが見えにくい。男性は人口の5%くらい色弱の人がいるということで、クラスに一人くらいはいるとのことだ。
ただ色の違いが全くわからないわけではないので、色弱ということにそもそも気づいてない人も多いと思う。僕自身も中学くらいのときまで知らなかったし、それで困ることもなかったのだけど、母親は気づいていたので家族レベルで一緒にいたりするとわかるのだと思う。
今はソフトウェアエンジニアとして働いていて、この仕事では業務上困ることは無いし、なんなら色に頼りすぎないデザインの重要性がわかってるという意味では、アドバンテージかもしれない。
だけど、現在仕事で困らないのは、色覚が関係のない職業を意識的に、あるいは無意識に選択してきたからということも大きい。
僕はもともと絵を描くのが好きで、高校生くらいのときは毎日絵を描いていて、美術部でもないのにデッサンだとか人体の本を読んで絵を勉強していた。周りの友達とか先生とかからも絵が上手いと褒められるので、当時はけっこういい絵を描けている自信があった。
だけど、絵を描く練習をしても、色塗りの部分にはやっぱり自信がなくて、だんだんと絵を描かなくなっていった。他にも理由はあったかもしれないけど、勉強してもどうにもならないというのは、やはりやる気を削ぐ理由になっていた。
よくよく考えると、職業選択の観点では色々なものを選択肢から外していたかもしれない。ビジュアルが重要な分野はだいたい難しいし、料理なんかも火が通ってないものを提供してしまう可能性があるから難しい。化学系も色の判別が大事なので難しい。生物系、医療系もおそらく難しい。接客などは、たとえば服の色とか商品の色とかを間違えてしまう可能性があって、高級店なんかで働くのはちょっと不安に思う(そもそも働けるかは置いといて)。
あくまでも当時なんとなく思っていたという話なので、そこまで深く考えたわけでもないし、実際のところは全然問題ないのかもしれない。電子工作とかも昔は抵抗のカラーコードが読みにくいので難しいかもとか思ってたけど、やってみると全然関係なかった。
ただ当時、高校生くらいのときはどんな問題があるかわからなかったので、必要以上に警戒していたかもしれない。一方、数学や物理、情報系の分野では色がどうこうとかは関係ないことはわかっていたので、進路の選択を肯定する判断材料の一つになっていたと思う。進路選択の80%くらいが攻殻機動隊の影響だと思うけど、残りのうち3%くらいは色弱が影響してたかも。そんなこんなで、プログラマの仕事に流れ着いたのであった。
僕の経験では、プログラマで色弱の人は結構多いような気がする。ベースラインの20人に1人より多いかわからないけど、実は私も・・・みたいなことがたまにある。ビジュアルよりもロジックが重要な世界の方が活躍しやすいので、僕と同じようにこの職に流れついたりするのかもしれない。
ちなみに
ちなみに、昔やってた絵の勉強は全く無駄だったわけでもなくて、たとえば僕は、アプリとかでもそこそこデザインが崩れてないものを作れているような気がするのだけど、これは昔模写とかデッサンをしまくってた経験が、役に立ってそうだなと思っている。