わたしは自分の家庭を持たずに家族と暮らす選択をした。一度自立はしたものの訳あって帰ってきて、それからはダラダラと自分のために生きてきてしまった。
親もきょうだいも自分も歳をとったなあと実感するたびに「これからはわたしが」という思いが強くなった。その想いと並行するように趣味への情熱は落ち着いていった。不思議なもんだ。きっとそういうふうにできてるんだ。
結婚して家庭を持ってる人はもっともっと早くにこういう気持ちになって、しっかりと暮らしというやつをやっていってるんだろう。わたしはいつまでも青春を引き延ばしすぎた。
結婚も出産もしなかったわたしは、これから本当の意味で家庭に入って、家族を守っていく。それが、なんにもできなかったわたしのせめてもの役目。