三週間、毎日観た。過酷だった! こっちは観てるだけなのにね。
生活のサイクルにロードレースがあって、夜更かしして見届けて、前向きな気持ちで明日の仕事に向かう。心地よい充実感があった。日々の活力をもらっていた。野球もそうだしスポーツでもエンタメでもなんでも共通するけど、がんばる人はかっこいい。たとえあの人たちの爪の先くらいでも、自分も自分の暮らしをがんばろうって思える。
ポガチャルはスーパーヒーローで、アラフィリップはスーパースター。そんな大会だったなあ。
わたしのお気に入りはシュタインハウザーが逃げ切った第17ステージ。失敗してもふたたびアタックを仕掛ける勇気。「今日はとても楽しい旅だった。そのために苦しむのが好きでなければならない」とのコメントは深く胸に刻みたい。Jスポーツコラムの和訳で、好きなニュアンスの言葉だった。フィニッシュを確信してからほんとうに嬉しそうで嬉しそうで。いい選手。強い選手。おぼえた。応援しよ。
昨年みたいな接戦も大逆転劇もない。ワンサイドゲームではあったけど、わたしには「強すぎてつまらない」なんてとても言えない。実況解説でも触れられてたように、どうやらそういう意見もあるみたい。人間っていうのは贅沢にも、同じものには飽きてしまう生き物なんだなあ。でも、思うのと言うのとはぜんぜん別よ。言ったら届くからね、今の時代と世界だと。
ポガチャルにはこれからも自転車を楽しんでほしい。彼がキラキラとした自転車大好き少年のままでいられることを、心から願う。