TOKYOヤマノテBOYS for V FAN DISC

サト
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個人的に大好きな作品、TOKYOヤマノテBOYSのファンディスクです。

4つのソフトがまとめて入ってるので、すごくお得感があります。

システムは本編とほぼ同じ。ただ一度だけでしたが強制終了したり、セーブがうまく出来なかったり、一枚だけストーリー中スチルボイス表示が出てなかったり、テキストはないのに次のセリフの音声も再生されたりとバグなどがちらほらあってちょこっと気になりました。

以下、感想とか色々。本編のネタバレも少ししてます。


SWEET JELLY BEANS

ALL STAR DISCという事で、本編と違うチームでの合同団体デートを3日目まで。

何となく本編の個別につながるような小ネタが入っていたりしたので、本編の恋愛エンドを正史へと持っていくんだなと思いました。

正直、本編のチームが大好きだったので、シャッフルってどうなん? と最初は半信半疑でしたが、これはこれで楽しかった! さすがヤマノテ!

そしてこのFDは殺人鬼救済がメインなので、がっつり真ルートありました。

後、プレジデントとデートEDもありますが、本編でのあれやこれを見ているのでプレジデントにときめきを感じることは一切なく、無心でボタン押して終了しました。ヤマノテでこんな無になったの初めてです。逆にすごい。

真ルート

恭平の救済はあって良いとは思ったけれど、恋愛関係になるのは何か違うなと。

一応、惹かれあう過程の描写もあるにあるけど、決定打になる程じゃなかったです。

それよりヤマノテBOYSの8人(イエスは真相に近すぎるので除外)が本当に皆良かったし、自分の想いは報われなくても、チヒロの為に全力を尽くす彼らにひたすら泣けた。ヤマノテなのに。

EDもED後の恭平があれだけ罪悪感抱えて生き続けるのなら、いっそ法の下で裁かれて、罪を償ってからやり直すほうがすっきりしたと思う。罪悪感まみれのくせに目を背けて、全部なかったことで自分たちの都合のいい世界でぬくぬく暮らしてるのってすごくもやもやしました。

ちなみにこの真ルートにはバッドエンドも存在していて、そちらは思い切り心を抉られました。

Rejetの作品の中ではそんなにきついバッドでもないかもしれませんが、ヤマノテでああいうのやられるときつい。

ちょっとネガなことばかり書きましたが、ヤマノテBOYS全員の株は爆上がりしました。

FRESH GINGER

伊織、虎太郎、哲の三人。このチームバランス良すぎて、弱点なさすぎる。

本編で問題児二人の相手をしていた哲がこのチームだととてものびのびしてたのが印象的でした。

おかげで合同デートも抜群のチームワークを発揮するので、このチーム選べば何も心配しなくていいくらい。

そのせいで特筆すべきところがないのですが、すごく細かいところを上げると、哲がフライドポテトを「揚げた芋」って言ったのが地味に好き。

PURE RASPBERRY

歩夢、拓海、イエスの三人。琉堂イエスがピュアラズベリーとかウケる(笑)と思ったら、歩夢がリーダーで納得。

拓海の天然をイエスが煽って話がさらにややこしくなりそうなところを歩夢が力業で軌道修正して何事もなく進めてゆくので、歩夢のリーダースキルは本当に素晴らしかったです。歩夢がいないと大惨事だった。

何だかんだでそこまで仲も悪くないし、見てて楽しいチームでした。

特に印象的なのはメリーゴーラウンドと割烹着。どっちも面白すぎて何度も見た。

BLACK VANILLA

ハマー、悠斗、ルーシーの三人。恐ろしいくらい個人主義しかいないチーム。というかハマーが居るチームは大体ヤバくなる説。

ルーシーってSUPER MINTの時は比較的冷静沈着だったのに、ハマーとは根本的に合わなさすぎてイライラしてること多いし、悠斗ははなから協力する気もなく他の二人を見下してるしで終始空気が悪いチーム。

そんな中でもハマーは通常通りだから、恐るべし濱田慎之介。

そしてまた見れたね、水着……。

ここからは各FDの感想。どれもひたすら甘かったです。

FRESH GINGER DISC

岬 虎太郎

デートして喧嘩して仲直りする話。

虎太郎これは絶対キャパオーバーになるやつじゃんと思ったらその通りだった。

けれどどんなにいっぱいいっぱいでも全てのことに手を抜かなくて、不器用にも見えるそういうところが虎太郎の誠実さでもあるのですごく好感持てました。

そしてチヒロの虎太郎が好きだから会えて嬉しい気持ちと、忙しいから無理しないで欲しいという気持ちがせめぎあってるのは恋する女の子だなあと。

喧嘩しても、伊織と哲という最強のサポーターがいるので、何の心配もいらなかったです。

岬家もいい家族関係だとHONEY MILKの時から思ってたので、今回も虎太郎母と虎太郎のやりとりとか虎太郎母とチヒロのやりとりとか微笑ましかったです。

桐嶋 伊織

人気者彼氏に不安になる彼女の話。

伊織は本編の真エンドが辛すぎて、色々忘れてる部分も多かったんですが、今回はシンプルに良かった。

年下だと忘れてしまうくらいしっかりしてるし、気遣いも出来るしで完璧かよと思えば間違って覚えたへんてこな単語で笑わせてもくれるしもう強い。

もうちょっと伊織のファンや仕事相手からやっかみを受けるかと思ったらそういう事でもなく、チヒロが伊織にふさわしい自分なのか自信がなくなって落ち込むのがメインでした。

基本的に伊織が気持ちをきちんと伝えてくれるし、聞いてくれるし、虎太郎と哲も手助けしてくれたりで(特に虎太郎)、最後まで信頼できるストーリーでした。

SUPER MINTのメンバーも出番はなくても協力してくれたりでほんと仲良しで良き。

そして一番気になってたことも、おまけで語られて、多分大丈夫そうだったので一安心。……でいいんだよね、あれ。

諸星 哲

人生初の嫉妬が大爆発ファイアーした話。

個人的にはとてもお気に入り。哲は本編でもSWEET JELLY BEANSでも一貫していい人すぎたので、聖人君子じゃない普通の男子高生の一面が見れて良かったです。

そして嫉妬が大爆発したときの態度はややヤンデレ気味だったのは、やっぱり哲もDARK CHERRYの人間だなと。声がワントーン低くなってちょっと物騒なことを言うのはDARK CHERRYメンバーのお家芸なのかもしれない。

仲直りした後はいつも通りの平和で穏やかカップルなので後半は安心安定のストーリー運びでした。恋愛エンドに卒業もってくるの良いなと思った。すごく好きなエンドです。

このルートでも伊織と虎太郎がフォローなどしてくれますが、この二人がトラブルの発端の一部でもあったので、感謝しつつも一つだけ地味な嫌がらせをする哲がちょっと面白かったです。

アナザーで出てくる格ゲー普通にやりたいのでウッドリンク何とかして。

PURE RASPBERRY DISC

百瀬 歩夢

お互い初心者カップルすぎて、何をどうしたらいいのか分からなくて、バタバタする話。

チヒロがちょくちょく妄想したり、友達に背中押されてトンチキなことしたりと、チヒロってこんな子だっけ? と違和感もありましたが、こういう感じが歩夢とお似合いなのかなと。

歩夢とはほのぼのカップルでいて欲しいので、歩夢が迫ってきた時に邪魔してくれたゲトばあナイスアシスト。

アナザーは歩夢が対琉堂イエス決戦兵器みたいになっててなんかシュールでした。

というかこんなバカップルに巻き込まれたイエスはさすがにブチ切れていいと思う。

九条 拓海

実家に帰らせていただきますやモノマネしたりする話。

拓海がああいう感じだったのですっかり忘れていたけれど、九条家は名家だった件。

他の人と違って恋人というより家族公認の婚約者だったので新鮮な感じで進められました。

チヒロが九条家にふさわしいお嫁さんになるために努力してたけれど、とりあえずテスト期間中はマナーより勉強しよう? と突っ込みたくなりました。一生懸命なのは伝わったけども。

そして拓海の母・和美が本編以上にはっちゃけてて面白かったし、何だかんだいいところで助け舟を出してくれるのでほんと頼りになる女性でした。こんな人がお姑さんになったら最高。

ヒーローショーの話のくだりは九条家みんな好きになるほっこりエピソードでした。

しかし歩夢の時も思ってたけどPURE RASPBERRYは顔見知り程度の付き合いしかないから、自ルートじゃないときは偶然通りすがるかこっちが突撃するとかで強引に登場するの斬新すぎる(そしてその都度ブチ切れてるイエスに草)。

琉堂 イエス

物騒遊園地デートと都内追いかけっこした後で普通にデートする話。

本編で萌えという暴力でタコ殴りにしてきた男なので、一番最後に対戦しました。

とりあえず最初にびっくりさせられたのは、チヒロがイエスを親に紹介していて、親公認のカップルになっていたことです。あの琉堂イエスを親に堂々と紹介できるチヒロのメンタルすごい。

まあそれは置いといて、イエスは様々な要因から他人とまともに関係性を築けない、愛し方も愛され方も知らない人間ですが、自分の行動でチヒロを傷つけて喧嘩した後、多分昔のイエスならそのまま捨て置いて終わりだったのが、他人を頼ってでもチヒロと仲直りしたいと行動したのは、本編での彼を考えると本当に成長していて感動しました。

しかしその後、すんなり仲直りするのかと思ったら唐突に都内追いかけっこが始まったのは若干意味不明で面白かったです。通りすがりにボケかます拓海も良い味してたし。

終盤の仲直り普通デートやオムライスのところとかお泊りセコムとか何だこのラブラブカップル!! とやはり萌えの暴力でタコ殴りにしてくれたので、やはり最後にして良かったとつくづく思いました。

結婚エンドに関しては、皆と同じように終われるのか……? と最後まで半信半疑でしたが、いい感じの落としどころだったので、ちょっと安心したし、琉堂イエスらしい最高のエンディングを見させてもらいました。

イエスは信頼していたものを突然失った心の傷を持っているせいか、失うことへの恐怖心が強くてそういうところは妙に憶病になるし、そのくせチヒロへの依存心は誰よりも強くて、チヒロ居ないと日常生活すらままならないので、TYBで琉堂イエスを選んだ責任を取って、チヒロは犬たちと一緒に一生イエスの傍に居てあげて下さい(二回目)。

アナザーは犬と全方位に嫉妬するイエスの話。犬にも嫉妬するからメインで出番少なかったので、アナザーでいっぱい出番あって良かったです。

BLACK VANILLA DISC

濱田 慎之介

ストーカーしてストーカーされて大騒ぎで、ハマーの口に金魚が飛び込んだりする話。

開幕からチヒロが本編個別デートどうしてハマーを選んだのかな……? 他の二人でも良かったのにとか面白いこと言うの腹筋にくるのでやめていただきたい。

カップルというより手のかかる子供と母親感が強かった気がします。最終的にはいちゃいちゃしてたけども。

後、本編で気になってたデビルハマーのことも思い切り雑に説明されてズコーでした。

とりあえずデビルハマーがひたすら不憫なので、たまには感謝してあげて欲しい。デビルハマー応援してる。

どんなにラブラブでもチヒロがハマーのことを全肯定はせずに、ダメなことはダメときちんと言える関係なのは良かったです(だいぶ判定が緩いけど)。

メインがはっちゃけてたせいか、アナザーは結構ぞわっとするシーンがあったけれどあれ多分演技じゃないと思ってる。軽くホラー。

ルーシー

夢や理想だけではご飯は食べられない話。

アーティストとしての将来についての話がメインだったので、この中では一番現実的だったかもしれない。

でもこれは現代のフェアリーテイルなのでそんなに深刻にならずにハッピーエンドになるのがTYBのいいところ。

ピリッとくる言葉ぶつけてきたり、どちらもチヒロが選びたくない選択肢を提示したり、ルーシーのSっ気が全開だった気がしますが、おまけシナリオだとルーシー目線で思った以上にチヒロにメロメロなのがたくさん伝わったので、メインとの温度差を感じなくもなかった。

けれどゲリラライブから結婚エンドの最高スチルまでの流れが最高だったので、結果的にすべて許しました。

伊織や拓海の時も思ったけど、SUPER MINTチームはどのチームより結束力あるのほんと良すぎる。

アナザーはフードファイトの話で相変わらずラーメン食べたくなったりします。

二之宮 悠斗

セレブと庶民の異文化交流に秘書ズを添えての話。

すごく良かった。これぞFDの醍醐味って感じで最高でした。

本編後なので、素の悠斗というだけでポイント高いのに、さらにシナリオで好感度上乗せしてくる二之宮悠斗は流石です。

チヒロと同じ目線の世界を知りたくて、普通の高校生デートを猛勉強して、いざデートしても思うようにいかなくてしょんぼりするとかいやほんと可愛いがすぎる……。

悠斗は幼い頃から周りの期待に応えて生きることが当たり前で、チヒロはそんな完璧な自分を求めているわけではないと頭では分かっていても、チヒロに失望されたくない、格好悪いところを見せたくないと思ってしまうのは、もう幼い頃からずっと刷り込まれているものなんだろうなと思いました。何不自由なく育ってきたけど、心はそうじゃないアンバランスさが伝わってきました。

という訳で、完璧じゃない王子様は、それを受け入れて良いほうへと変えてくれるプリンセスと幸せになりましたとさ。めでたしめでたし、で大満足。

アナザーも面白くて、特に悠斗とチヒロと秘書ズで戦隊組むやつがめっちゃお気に入り。

本編より秘書ズそれぞれの個性が見れたのも嬉しかったです。

FDのストーリー中でも、TYBが終わって少し経つけどちょっと寂しいねというようなセリフが何度か出てくるんですが、その通りで全部クリアしてしまった今は祭りの後の静けさを感じています。

@satomotiii
レトロゲームと乙女ゲームが好きです。