“問題はまず「解く」ものと考えがちだが、まずすべきは本当に解くべき問題、すなわちイシューを「見極める」ことだ。” から始まる内容で、解決しなければいけない問題がたくさんある現代の知的労働者にとって、いろいろヒントとなるところが多かった。
この本ではイシュー(Issue)を以下のように定義している。
2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
解決しなければいけない問題については「イシュー度」と「解の質」に分けて考え、まずは「イシュー度」の高いものを見極め、次にそれらについて「解の質」の高さを意識することが必要だと教えてくれる。 逆に「イシュー度」を考慮せず手当り次第「解の質」を高めようとしても、解決しなければいけない問題は減らず疲労していくだけで、結果的に「解の質」は低くなる「犬の道」と表現している。
ただ、イシュー度が高くても、今時点では解決できない問題というものが存在する。 そしてそれはやってみなくては分からないし、やったとしても始めは解決できる可能性は低い。だが、やってるうちに解決できる可能性は高くなる。また、そもそもの見極めが出来るようになってくる。 逆説的だが、そのためにも適切に「イシュー度」の高い問題を選び、数をこなしながら問題の解決率を上げていくことが大切とのこと。
そして見極めた「イシュー度」の高い問題の解決について、考え方や進め方を「イシュードリブン」「仮説ドリブン」「アウトプットドリブン」「メッセージドリブン」という内容の順番で解説されている。
とはいえ、流石に問題に対する実際の解決方法までは書かれていないし、本当に解くべき問題だけやってればよい環境でもなく、また内容的にコンサルティング視点で実際の業務にそのまま当てはまるところは多くはない。言ってることもそりゃそーだよね的なところも多いし、逆に「????」という難しい話もある。 だが、だからといって読む価値が無いわけではなく、使えるところだけを抜き出して使ってみるという感じでも良さそう。とくに「悩むと考えるは違う」や「ストーリーの組み立て」、「チャートを使った分析方法」などはコンサルではなくても参考になる。
大きめの担当やプロジェクトなどを任されたときに読んでみると、非常に参考になりそうです。 10年前くらいに読んでおきたかった!