名探偵のはらわた/白井智之

satosansan
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ミステリが読みたい。そう思ったので探した。一昨年刊行された「名探偵のいけにえ」という本が面白そうだった。第23回本格ミステリ大賞。

読むにあたって、それ以前に刊行された「名探偵のはらわた」を先に読むことにした。読んでる途中に気付いたが、この2作は繋がってないので読まなくても良かったらしい。

名探偵のはらわたは、過去に猟奇犯罪を犯した人間が地獄から復活して人間に憑りついて同様の手口で殺人を繰り返すので、主人公が殺人を食い止めるために地獄から復活した名探偵とともに犯人をぶっ殺して地獄に送り返す話である。

本作は「過去」がキーワードとなる。犯人が過去と同じ手口で殺人を行う関係で、探偵たちは現在の事件を解決するために過去の事件を調査することになるが、その過程で犯人の人物像や当時の行動が明らかになっていき、果てには報道とは異なった過去の事件の真相にまで辿り着いていく。現在の事件が再現VTRのように機能し、遡及的に過去の事件の解決の糸口になっていくのがユニークだった。