変な家という映画が好調のようだ。初日の3日間の動員はゴールデンカムイくらいいったらしい。一方で原作ファンと思われる人々からは不評っぽかった。原作に比べてホラーになってしまっているのが不満だったという声を複数回見かけた。ジャンプスケアが多用されていることに対する文句を良く見られた。
何か思ってたのと違いそうなので、映画を見ることは保留にして小説版を読むことにした。文庫版が出ていたので、700円くらいで買えた。
感想。
「意味が分かると怖い話」だった。インターネットに転がってる真偽不明の怪談。導入の家の意味不明な間取りから推測を膨らませていくのが面白かった。間取りという誰しも見たことがあるようなものを起点にしているのが良い。何でこんな形なんだよっていう部屋を良く見るしね。
後半の展開は、肩透かしだった。ひぐらしのなく頃にの解答編、雛見沢症候群の正体が判明した時のような肩透かし。間取りが面白かったのに間取りから離れてしまったのが「うーん」って感じだった。出版にあたってオチをつけるために継ぎ足したような印象。
文庫版に収録されている栗原によるあとがきはとても良かった。
変な家はYoutubeに挙がっている動画があり、これが1800万視聴されている。この動画では、雨穴がリビングと寝室の間にある窓について疑問を持つところで終わるのだが、あとがきではこの点についてある1つの可能性が提供される。序盤の意味怖的な空気感に帰ってきたので、読後感は良かった。動画の補完にもなっているため書籍版を読む意味も感じる。
全体の印象として、ミステリー・サスペンスの要素が大きい作品だった。怖いと言えば怖いので、ホラーではあるけど主人公は直接危害を被ることはなく、語られる真実にゾクっと来るようなタイプの作品である。
映画にあるようなジャンプスケアの使いどころが不明だった。どこでやるんだ。いずれにしても地雷そうなので映画を見る気はなくなった。
見ないことにしたので、いくつかレビュー動画を拝見した。主人公が因習のある村に行って、村人のおっさんがショットガンを担いだり、おばあさんがチェンソーを振り回したりするらしい。バイオレンス。原作は村にはいかないし、そんなアクティブなシーンもない。もしかしたら黄龍の村なのかもしれない。