American Fiction/監督:Cord Jefferson

satosansan
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アカデミー作品賞ノミネート作品。監督のコード・ジェファーソンは本作が初監督らしい。元々ドラマの方で色々やっていた人らしく、ウォッチメンの製作に関わったりしていた。僕はウォッチメンを見たことがない。

風刺全開で方々を冷笑しているような映画だった。バービーは全方位に殴りかかっているイメージで、こっちは薄ら笑いを浮かべている印象。

序盤に出てくるワインの例えは好きだった。

高いワインはもちろん上質でうまいが、高価で手が出せない。結局人は「酔えれば」いいから安いワインが売れる。

安いワインというのが作中のMy Pafologyを指しているのだが、アメリカン・フィクションのこと自体も指していそうだった。まんまとアカデミー賞にノミネートされていて、現実で原作再現を行えているのは乙なものである。

主題にあたる部分は過去のインタビューで言及されていた。

人種、民族、宗教、性別アイデンティティにかかわらず、私たちは自分自身らしい個性や独自の情熱、視点を持ちたいはずなのに、世界は最終的に同じ箱の中に入れようとするし、個性を尊重するよりも、群れの一部としてみようとする。

参照;トロント国際映画祭で最高賞を受賞!エミー賞脚本家の初監督作『American Fiction』についてコード・ジェファーソンにインタビュー。

人種や性別によって役割が枠におさめられちゃってるのは、ドラマや劇中で良く見る光景。学園ドラマに出てくる冴えない女性主人公にはゲイの友達が居がちだし、そいつはめちゃくちゃ優しくて良いやつがち。

とは言いつつ、こういう話って物事を斜めに見れば何でも批判できそうなので、誠実な解釈を取りたいわねと思うなどした。