先日もここでちらっと書いたのですが、朝は比較的はやいタイプです。休みの日とかでも起きる時間はあんまり変わらないし、旅先でももちろん変わらない。めっちゃ疲れたなーとかめっちゃ飲んだなーみたいな日でも、とりあえず一旦起きちゃう、みたいなところがある。
だから旅先での動き出しもたぶんはやいほうなのかなと思います。11時チェックアウトのサービスとかも最近多いけど、ひとりで泊まってると普通に8時ぐらいにチェックアウトしちゃいがち。観光スポットとかはもちろんその時間営業開始していないので、そのへんを散歩したり朝ごはんを食べられそうな喫茶店に向かったり、うまいこと見つけられたらそこでごはん食べながらぼんやり時間をつぶすほうがたぶんホテルにいるより好きで、せっかく普段来れない土地に来ているのだからその土地の空気感を感じたい、のかもしれない。あとゆっくり過ごすためのちょっといいホテルとかを基本取らないせいもある。ホテルの部屋にいてもやることないなってなってしまう。
つまり何を言いたいかというと、同行してくれたともだち、なんか急かしちゃったみたいになってすみませんでした……。という謝罪からはじまる高知の2日目の記録です。
この日、だいたい16時頃には高知を出る旅程だったので遠方に行くのはなかなかしんどい&翌日から普通にまた仕事に行かねばならないので、スケジュールを詰めるよりゆっくり市内観光のほうがいいね、という話をしていて、高知城とひろめ市場以外の行き先は特に決めていなかったです。あと朝ごはん。行ってみたい喫茶店があって朝ごはんはそこに行きませんか?というのだけお願いしていた。
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ホットサンドのモーニング。あつあつさくさくでバターの香りがしておいしかった。トーストモーニングも厚切りでずっと店内にいい香りが漂ってて、めちゃくちゃおいしそうだったから次行く機会があったらスープ付きの豪華モーニングとか食べたいです。この日は出かける前にバナナも食べてたのでちょっと……。
高知には現代企業社という(たぶん)飲食店経営の会社があって、なんかちょっとヨーロピアンテイストみたいな、雰囲気のいいカフェとかレストランとかケーキショップをいくつも経営しているところみたいなんですけど、そのひとつである喫茶店が高知城の近くにあったのでちょうど行けないかなぁと思ったんですよね。いざ行ってみたら思ったより全然広い建物で、しかもすごく賑わってて、たぶん着いたの9時頃かな? なんですけど、ほぼ満席。店員さんもたくさんいて、みんなてきぱきと働いていて、落ち着いてるのに活気があるいい雰囲気でした。有名なところみたいだし、駅からも高知城からもほどよく近くて立地も良いんでしょうね。もちろんおいしかったし。
日曜日だったので、高知城までの道なりに日曜市もでていて、そこもふらふらのぞいてきました。生鮮食品というか農作物が中心だったので買い物はしなかったんだけど、これも活気があって楽しかったな。あと地元の名産とかを売ってるっぽい雰囲気なのに、ところどころで自然酵母パンとかバインミーとかおしゃれっぽい食べ物を売ってたり、はしまきみたいなお祭りの屋台っぽい雰囲気の店が現れるのもおもしろかったな。刃物もたくさん。くじらナイフというくじらの形のナイフがあって、くじらの種類がたしか5種類ぐらいあって、ものすごくかわいくてほしかったんですけど日常生活でナイフを使うタイミングなさすぎるなーと思って買えなかった。観光客もいたと思うけどここも普通に地元のひとが買い物に来てる感じなんだと思います。やすかったもの。
ちなみにこの日は快晴。本当に雲ひとつないという感じの青空で、天気予報では気温低めだったんですけどぜんぜん暑かった。それでも日陰にいくと、真夏特有のじっとり感はなく空気がからっとしていたので、過ごしにくいという感じはなかったです。秋、本当に行楽に良い季節。一年中こういう気温や湿度であってほしい。
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高知城の手前になんだかすごく大きな金色の鳥居があって、気になって寄ってみたら鶏の狛犬、狛犬?狛鶏?がお迎えしてくれました。高知大神宮という神社らしいのですが、敷地内で大量の鶏が放し飼いにされていてなんだかよくわからないけどかわいかった。しかしなぜ鶏なのか。闘鶏とか名物なのかな?と思って調べてみたらたしかに高知は闘鶏も有名みたいで、でもそれは高知市ではないしたぶんいたのは軍鶏でもない。謎でした。
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謎ではあるがかわいい。2枚目とか私の今回の旅行中最高のベストショットかもしれない。2枚目の子は鶏小屋の中にいました。
あと高知城の敷地内で土佐錦魚の品評会みたいなのも開かれていて、これもちらっと見てきました。
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1歳、2歳、それ以上(成魚)と部門が分かれているみたいで、1歳と成魚は本当にびっくりするぐらい大きさが違う。写真の子は成魚ですね。金魚、大きくなるんだなぁ。優雅できれいだったのですが、私は大きい金魚を見るたび乾ルカの短編「は」を思い出してしまいちょっとぞわっとします。でもきれいでした。
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本当に天気が良くて高知城がよく映える。
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天守閣まではひたすらに階段を上っていったのですが、やっと登りきっていざそこに天守閣、みたいな広場に、ここまで疲れたでしょうし一息入れていきませんか?と言わんばかりにアイスクリンの屋台があって、まんまと一息入れてしまった。せっかくなのでゆずのアイスクリンを食べました。さっぱりしゃりっとしたシャーベット状のアイスが本当においしい気候でした。
高知城は、江戸時代に建設された天守が現代までそのまま残されている数少ない城のひとつ、かつ天守と本丸御殿が揃って現存している唯一の城、らしく、逆に唯一なの!?てびっくりしてしまいました。言われてみれば基本的には上ったり見学できるお城って天守だけなのかな? 書院造りの古い建物自体の公開を見に行くことはあっても、御殿の見学からシームレスに天守閣まで上っていくスタイルははじめてだったかもしれません。
観光客はけっこう多くて、登る前に見上げた天守閣にみちみちに人がいたのがだいぶ印象的だったんだけど、せまい建物内に結構人は居るはずなのに印象としては静かだった、みたいなところがある。古い建物にはなんとなく声をひそめたくなる雰囲気がある気がします。
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見晴らし良かった! ただ昨日もちらっと書いたとおり高いところはすこし苦手なので、この写真を撮りつつ私の足にはぞわぞわと震えが走ったり走らなかったりしています。そんなに高くもない手すりから外国の女の子が思いっきり身を乗り出したりもしていてだいぶひやひやした。心臓に悪いから控えていただきたかった……。
ガラス張りの展望室とか、床が透明になってるタワーとかは高くてもあんがい平気で、飛行機もいちおう乗れますし飛行機の窓から外眺めるのはむしろ好き。観覧車は長らく乗ってないけど大丈夫かなと思うのですが、モノレールとかロープウェイになるとちょっと怖い。風を感じるとか、四方を完璧に壁で囲まれていない、自分の過失でうっかり墜落してしまう可能性のある高所が怖いんだろうと思います。ロープウェイは途中で止まるとか切れるとか落下する可能性のイメージが浮かびやすいのが苦手な理由だと思う。でもあると乗りたくなっちゃう。あれなんなんだろう……たとえばホラー好きな子がきゃあきゃあ言いながらホラー作品を楽しむのと同じ感覚を、私は高所に抱いているのかもしれません。天守閣ってだいたい風を感じて、手すりは低く、下には人がいっぱいいるので最悪の想像をしやすいのですが、それでもやっぱり好きなのでなんだかんだ今後もチャンスがあれば上ってしまうんだろうな。素敵な景色を見るために。
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午前中の予定が高知城しかないのに9時前から動き出そうとしていたので、同行のともだちにやることなくならない?と心配されたりしていたのですが、ふらふらのんびり寄り道もいろいろしていたので結局ほどよいお昼時にひろめ市場にたどり着けました。ひろめ市場、ひとすごかった! 賑やかでみんな元気でご機嫌で良かったです。席取りはめちゃくちゃ大変だったけど。しばらく市場内さまよってなんとかふたりで座れそうな席を見つけたのでそこに腰を落ち着けたのですが、私たちがのんびりお刺身をつついている間に相席したグループは3組ぐらい変遷していました。空気を読んで早めに退散すべきだったのかもしれない。いやでも……楽しかったし……我らお酒も飲んでいたし……。
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鰹のたたきと、鯨の竜田揚げと、あとかんぱちのお刺身を食べました。あとは友達が買ってきてたあおさの天ぷらをすこし分けてもらったり。かんぱち、昨日のお店で食べたお刺身があまりにもおいしくて……メニューに見つけてあまりにも食べたくて……ほとんどお刺身だけでおなかをいっぱいにするというとんでもないぜいたくをしましたがとても美味しかったので満足です。
鯨も高知の名物なんですね、鯨自体はたぶん食べたことないことはないと思うのですが、せっかくだし気になったので。本当はここはたたきで揃えるべきだったかもしれませんが、なんとなく、鯨といえば竜田揚げな気がする。竜田揚げだから尚更だったのかもしれませんが、味とか食感とかはもうほぼ肉なんだけどじゃあ何肉?と聞かれるとちょっと悩むみたいな、なんか不思議な食べ物だった。ビールが進むお味でした。
そうそう、高知の地ビールだというゆずのペールエールも飲んだ。目の前のお店のドリンク類が何もかもおいしそうで私はそこでばかりおかわりしていたのですが、どうにもそのお店、基本は甘味処だったらしく、私以外に訪れるお客さんは(けっこうたくさんいたのに)みんなソフトクリームとかかき氷とかを買っていて、なんか私が異質な客みたいで不思議な気持ちになりました。朝から飲んだくれしかいない最高の場所と聞いていたのですが……? いや、すごい飲んだくれてるなーみたいなグループもいて混沌とはしていたんだけど、ガラ悪いとかそういう感じではなくて普通ににぎやかで楽しい空間だったな。
ここですこし唐突ですがよさこいの話をしてもいいでしょうか?
ともだちが好きだったジャンル(過去形にしていいかわからないのですが、おそらく今後の公式の展開がない作品ではあるので)は、舞台の一部が高知で、高知の子たちが出てきていて、彼らがよさこいをやっていました。曲が出るジャンルだったのですがその曲もたしかちょっとよさこいの要素入ったりしてて、それがめちゃくちゃかっこよくて私は好きだったんですね。で、私もまあ学生時代にYOSAKOIソーランを踊るなどした民のため、よさこいといえばよさこいソーランの略称みたいな認識で、そもそもの高知のよさこいについてはそれまであまり意識したこともなく、でもよさこいはよさこいでありよさこいソーランとはまた違うものだよ、と言われればなんかいつか本場のよさこいも見てみたいなぁみたいなことは思っていた。
1日目の記録でも何度か話題に出した高知駅前の観光案内所では、毎週土日によさこい演舞のステージを開催しているらしいです。タイミングが合えば見たいなぁと思っていたのですが、その時間が11時と13時の1日2回で、なんかそのタイミングで高知駅前にわざわざ戻ってくるのはさすがにちょっと慌ただしくなって申し訳ないかな、と思って今回の旅行で見るのは諦めていたんですね。
しかし、今回高知に赴いた土日、高知市中央公園というところで土佐豊穣祭というお祭りが開催されていまして。たぶん各地で開催されている食フェスの類だと思うのですが、土佐のおいしいものがたくさん屋台で出ていて、飲食スペースもあって、ステージでは時間ごとに諸々の出し物が披露されているみたいなお祭り。よく考えればこれ、泊まったホテルとかにもポスター掲示してあった気がするのにまったく意識していなかったイベントなんですけど、ひろめ市場でごはん食べたあとにせっかくだからはりまや橋も見ていく? という感じでまた近辺の商店街などをふらふら散歩している時にこの中央公園を通りがかったのです。ここもすごくにぎわっていました。で、さすがにごはん食べた直後だったのでもうここでは何か食べたりみたいなことはできなかったのですが、なんとそのステージで!よさこいが!披露されていた!!!
ひとこと感想を申し上げるならめちゃくちゃかっこよかったです。よさこいにも正調と現代風があるらしくて、私が見たのがどちらかはわからないのですがどちらかというと正調寄りなのかな? という感じはした。曲も振り付けももちろんかっこよー……とは思ったのですが何よりかっこよかったのが旗振りのお兄さんで、あれ本当にすごかったな。2mぐらいかな?もうちょっと長い?ぐらいの棒についた旗を曲に合わせてずーっと振り回しているんですけど、そうとう大きい旗なのにまったく絡まったり垂れ落ちたりはしないで、ずーっと優雅になびき続けている。これぞ技術……!という感じがしました。あとあれ絶対めちゃくちゃ重いと思うのに一定のペースでゆったりと振り続けてるのがすごい。本当にかっこよかったです。見れて良かった。ありがとう豊穣祭……。
夏にやってるよさこい祭りでは、観光客でも飛び込みで参加できるグループなんかもあるらしく、なんかもっと恥ずかしげもなく旅先ではっちゃけられるようになったらなんなら参加したいもんな。どうせ阿呆なら踊らにゃ損なわけですし。それは徳島のほうだけれど。
本屋時代は土日祝に休みを取るのがむずかしく、旅行も平日に行くことが多かったのです。有名な観光地でも平日だと若干落ち着いていることが多く、逆に土日は人も多ければホテルや夜行バスもお値段上がりがちで、絶対旅行は平日のほうが良い、みたいにずっと思っていました。でも高知ではむしろ土日に行ったからこそ見られたものがけっこう多く、なんだかんだ言っても多くの人出が見込めるからこそ開催できるイベントなども多いわけで、そういう意味ではやっぱりカレンダーに従ったお休みの日程で動くほうが観光においては楽しめることは増えるのかもしれない、みたいなことを考えていました。
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ちなみにはりまや橋は工事中でした。まあ代わりに楽しいものが見れたのでよし!
ごはんのあともそんな感じでふらふら散歩しているうちに、お土産買ってホテルに荷物取りに行ったらまあちょうどいいかな?ぐらいの時間になっていました。お土産、私は絶対芋けんぴを買うぞ!と決めていたので、芋けんぴを3種類ぐらい買った。あとはいつものということで。
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お土産に酒を買いがち女、最近はビールを買うことが多かったのですが高知ではこんなセレクトでした。ダバダ火振、たぶん大阪でも飲めるお店結構多いと思うんだけどあまりにもあちこちで売ってたので逆に買わないのは失礼かもしれないぐらいの気持ちになっちゃった。次のお休みには芋けんぴで焼酎を飲みます。たのしみ。
そんなわけで高知、本当に楽しかったです! 現地に行ってはじめて知った行ってみたい場所がたくさんあるし、秋の鰹がおいしかったので改めて初夏の鰹も食べたいし、よさこい祭りもいちど見てみたいという気持ちが増し、ぜひまた行きたい土地になってしまった。特急乗り換えもなんとか覚えたしね。あとこれは高知じゃないけど、やっぱり大歩危が良すぎたので大歩危観光からの高知宿泊とかもやろうと思えば出来るよなぁみたいなことも考えています。大歩危には遊覧船もある。乗りたすぎる……。