私にとっての旅行はおおむね一泊二日で、たまに贅沢して二泊三日。なので、自分で企画立案して旅程を組む個人的な旅行で三泊ってもしかしたらはじめてだったのかもしれません。感想としてはめちゃくちゃ楽しいけどさすがにかなり疲れる。しかし昨日頑張ってセーブしたので体調はまあまあ良さげでもあります。
というわけで最終日! 新潟県内は新幹線での移動を視野に入れたほうがいいし新幹線なら燕三条までは十分ぐらいで行ける、という情報を旅行計画中にインターネットで入手したので、張り切って燕三条まで足を伸ばしました。ありがとうインターネット、ありがとうブローガスト……。
新潟駅から燕三条までの新幹線はおそらくはおおむね1時間に1本の間隔で出ており、私たちは確か9時半の新幹線で燕三条に向かって14時半の新幹線で帰ってきたかな? 滞在時間は5時間前後でしたが燕三条、個人的にはかなり楽しかったです。

駅がかっこいい!
最初に向かったのは駅から徒歩だと30分ほどかかる場所にある、燕市産業史料館という……博物館かな? 燕市における金属加工費作業の歴史や実際作られている製品などを知ることができて、おまけに金属加工の体験もできる。この日は雨予報だったにも関わらず雨はまったく降らなかったのですが(新潟でこんなに一日中晴れてるのすごいですよ、と同行者に言われたので私は本当に晴れ女なのかもしれません、ちなみに黒部立山アルペンルートでも終日快晴を引いた女です、ガイドさんが今日めっちゃ運いいですよ!ていってくれたぐらいのお天気だった。でもじゃあ逆に箱根はなんだったんだよ)その分かなり暑かったのでさすがにタクシーを使いました。タクシーを使ってまでこの施設に行きたかった理由はこの金属加工の体験をやりたかったからで、具体的にいうと一枚板を叩いてかたちを作る錫のぐい呑みを私はどうしても作ってみたかった!

これが



こうなって

こう!
手前が私が作ったやつで奥が同行者のやつですね、並べると結構出来栄えが違ってびっくりした。いやー、おもしろかったです。たぶん私は下手くそで、同行者がすいすい進める横で三回ぐらい指導の方に「もうちょっと強く叩いて大丈夫ですよ」と言われたうえにたぶん時間がかかりすぎててお手伝いもしていただいた……(底がめちゃくちゃきれいにくっきりできているのはお手伝いしてくれた指導員さんのおかげです)力がないというよりは思い切りが足りないんだと思う。でもおかげで予想してたよりはきれいな出来栄えのぐい飲みになってうれしいです。もっとぼこぼこで不格好な酒器を錬成してご自宅用にはきれいな既製品を買って帰ることまで想定していたので……。
とはいえ、ゼロから作って綺麗なお椀型にするの難しすぎるだろうと思ったらちゃんと型があって、それに沿わせるように形を作っていくような手順だったので、そもそも誰がやってもそこまで極端に歪んだりはしないのかもしれません。金属加工、金属そのものを扱う職人さんの腕ももちろん大切ですが何よりこの型を作る職人が大事みたいなお話も伺いました。あと錫の酒器の表面のあのザラザラした感じ、型押しとかでつけているのではなくて何度も細かく木槌で叩いてるうちに生まれる凹凸なんだな……ということも身を持って実感した。おもしろかったなー、錫の器は鋳込の体験ができるようなところもあるらしくそれはそれで面白そうなんだけど、ガラス工芸とかもなんだけど私は高温の物体を扱うのは結構怖くて(不注意極まりない自覚があるので死につながると思っているものは怖い……昨日とんぼ玉の体験ある!などといっていましたが時間あってもチャレンジしたかは怪しいです)木槌でとんとん叩いているだけで形が変わっていくというのはかなりお手軽でたのしくて良かった。
そもそも錫の酒器はずっと欲しかったんですよね。おうちにあるのはガラスのぐい呑みと陶器のおちょこだけなので、金属の酒器というものにずっとちょっと憧れがあった。実は銅製のマグカップとステンレスのタンブラーは(たぶんそんなにいいものではないけど)お家にあって、夏場のハイボールとかジントニックとか作るのには使ったりもしているんですけど、さすがにあれらはサイズなどを考えても日本酒向けではないです。
あと銅製のタンブラーでも中は錫メッキになっていたり、とかく錫の酒器はお酒を美味しくするとか飲み物をまろやかにするみたいなお話をちらほら聞くので気になっていて、金属製の酒器ってまあまあ高いんだけど、自分で作れるなら体験も含めたいい思い出になるのであんまり高いとも感じずに気持ちよく払えるかなーみたいな目論見もありました。実際かなり楽しかったし、楽しかったなーという反芻込みでこれで飲む酒は美味しい。行けて良かったな。同行者も付き合ってくれて本当にありがとうございました。私の旅行は基本的に他人を私の欲望に巻き込むことで成り立っています。旅行だけじゃないな。地元でもかもしれない。いつも付き合ってくれるひとたちはありがとうございます……。

もちろん体験工房だけではなくちゃんと展示もある。これは金属をいろんな加工にしたものを集めたアートパネルみたいなやつ。

ギャラリーの看板にいろんな金属器があしらわれていてかわいい。

これは世界一大きいスプーンとフォーク。企画展ではスプーンの歴史とかコレクションとかがあってスプーンというカトラリーの定義が一瞬めちゃくちゃになりました。私は今使ってるヒメフォークがすごい歪んでて燕市に行くならお土産で新しいヒメフォーク買おう!と思ったりしてたんですけど、スプーンとフォークってセットみたいな顔をしておいて実際はスプーンのほうがかなり優遇されていませんか? なぜ? スプーンのほうが歴史も長く汎用性もある、ということなんでしょうか……。
ちなみにお土産にはフォークの他に箸も買いました。これ。箸を買うつもりはまったくなかったしそもそも金属製の箸を使うことも今までほとんどなかったのですが、見た目がシンプルで美しくて一目惚れしてしまった。シリーズの箸置きは普段使わないし洗うの大変そう……で買わなかったんだけど、揃えたほうがたのしくはなれそうです。あとこのシリーズのおろし金めちゃくちゃいいな……おろし金も今別に生活の中ではほとんど使わないんですけど……。
お土産を買ったのは駅の近くにある地場産業振興センターというところなんですけど、ここも相当おもしろかった! それこそヒメフォークを買うぞ、と言うつもりでカトラリー見に行ったんですけど、フォークもスプーンも信じられないぐらい種類あった。そしてどんなにたくさんあってもぱっと見でいいなと思うものはあるし、そういうものはたいてい高いです。不思議なもの。
同行者は自分用とお土産にとタンブラーを探してたんだけど、そっちもぱっと見てかっこいい!かわいい!みたいになるのはだいたいちゃんと高くて、なんか、何が違うかは全然わかんないんだけど間違いなくなにかが違うんだろうなと思いました。かわいいだけではなく使い心地もよいらしく、それはそれでよいなぁと思いましたね。いいものをちょっとずつ生活のなかに揃えていくのは憧れるなぁと思いつつもぜんぜんできてないので、いい加減実家から持ってきた食器とかケトルとかはリストラしていきたいものなんですけど……。

そして地場産業振興センターの隣にイオンがあり、イオンの中のフードコートにみかづきが入っていたので、イタリアンチャレンジもしてきました。焼きそば+ミートソースにしょうが、という結構???な組み合わせで、味の想像つかないけど名物らしいし食べてはおきたいかな……ぐらいの気持ちで行ったのですが、思ってたよりおいしかったというか、これはあの、確かにふとした瞬間思い出して食べたくなる味かもな……と思いました。屋台の焼きそばの味がする。いやミートソースは確かに効いているのですが、でもミートソースの主張は意外とすくなくて基本的には焼きそば。ミートソース分味が濃くなっててジャンクになってる感じで、つまりはとにかく味が濃いのでこれごはん欲しくなるね、みたいな話をしていたし、焼きそばパンみたいにプレーンなパンで挟むと美味しい気がする。カロリー爆弾すぎる。
あとみかづき、まあイオンのフードコートだった、というのもあるんだろうけどもののみごとに地元の人しかいないんだろうなみたいな客層で、本当に地元の人が食べているファーストフードなんだな……になりました。寿司屋の大将も食べると言っていたなそういえば……。あとイートインの人よりお持ち帰りにしている人のほうが多かった気がする。みかづきには白飯が置いていないのでおうちに帰ってごはんのおかずにしていたりするのかもしれません。いやこれ絶対白米はいると思うんだけど……焼きそばでごはん食べるのは関西人だけなんですっけ……?

あと新潟名物イタリアンのあとに普通のイタリアンも食べた。これは駅によくある案内看板に広告が出ていてその広告の写真があまりにもおいしそうだったから急遽行くことにしたお店です。私はきのことほたての和風パスタみたいなやつ頼んだんだけど、ほたてがあの、子持ち?のやつで、その卵?がちょっとソースに溶け出してたらこパスタみたいになってておいしかった……。
このお店、店名がゴッホというのですが、店名にちなんでかゴッホというウォッカが置いていて、これがなんとショットしかなかった。ショットしかないし真っ昼間だしなんなら我らはこのあとぽんしゅ館に行くのでさらに飲むんだけど、でも飲んだことないお酒だし、というかフレーバーウォッカってそもそも飲んだことないから気になる……で、結局は飲んできました。昼から。ショットを……。クールピーチというのを飲んだのですが、香りも味もちゃんと甘くて、でもそこまでべったり甘すぎないさっぱりした後口でめっちゃおいしかったんだけど、おいしかったからこそ「度数40度とかのお酒がストレートでこんなに飲みやすくておいしいのは許されるのか……?」みたいな不安にもかられてしまった。40度あったのかな? ウォッカだとそれぐらいですよね? フレーバーだともうちょっとマイルドだったりするんでしょうか……? このゴッホというお酒、メニューにあったエスプレッソも気になるし、モヒートっぽいのとか、あとジンも出ているらしくてとにかく瓶がおしゃれなので今度調べてみようかなーと思っています。店内にインテリアとして小瓶飾られてたんだけどそれがめちゃ可愛かったんだよな。小瓶のアソートとかあったら買いたい。

ウォッカをショットで決めたら新潟駅に戻ってお土産タイムです。ぽんしゅ館、もちろん日本酒試飲は試してきたんですけど、それ以外にもあちこちでありとあらゆる試食が出ていてびっくりしました。醤油の試食とかはじめてみた。並んでいるすべてのものが異常においしそうに見える恐ろしい空間でしたね……。

試飲コーナーにはペアリングフード(すべて館内で買えるお土産品らしい)もあったので頼んだのですが、この鮭の焼漬がもうペアリングとかどうでもよくなるぐらいただただお惣菜、あるいは酒のつまみとしておいしかった。鮭っておいしい魚すぎませんか? たまに改めてこいつ食卓の定番みたいな顔しておいしすぎない? でびっくりするタイミングがある。買って帰るかかなり悩むレベルでおいしかったんですけど今回冷蔵を全部あきらめたので結局買えなかった。買えなかったけどたぶんこの店で冷蔵を全部あきらめるのはお買い物の楽しみを半分以上放棄することなので、どちらかというともう今日は爆買いするぞ!と決意を固めて買いまくってクール便で送ってもらう、が正解だと思います。宅配を頼めるなら四合瓶も買えるからね。今回他でめちゃくちゃ散財してるからそこまで開き直れませんでした。

これは試飲コーナーにおいていた無料の塩なんだけど、このおけさ花塩という塩がやたらとおいしかった。塩としておいしいというのもあるけどとにかく粒が大きくて、あの、これ単体でおつまみになる塩……びっくりして感動したのでこれは買っちゃった。商品説明が、塩だからこれは当たり前なんだけど料理に使う前提で書かれていて、そうだった塩はつまみじゃない……みたいな気持ちになりました。今年もさんまの酒蒸し作りたいのでそういうのに使おうかな。

あと、帰りを新幹線にしたので新幹線内で食べられるな!と思って爆弾おにぎりと、写真撮ってないけど笹団子も買いました。おにぎりとお団子はさすがにお茶だな……と思ってお飲み物はお茶にしたんですけど、いざ食べはじめるとこの爆弾おにぎり信じられないほど大量の具が詰まってて、いや、この具ゾーンで……一合ぐらい飲めたのでは……?(鯖の塩焼きと高菜炒めを選びました、青魚が好きすぎる) あと買うときお店の方にお箸いりますか?て聞かれて、おにぎりにお箸いるかな?と思いながら一応つけてもらったんだけど、お箸がなかったら太刀打ちできなかったかもしれない。これおいしかったなー、また食べたいしほかの具の組み合わせも気になります。ぜんぜん鮭も食べたかった。でも鮭と鯖はさすがに欲張りすぎだしなんか……こう……ほら、ね? 笹団子もおいしかったです。なんか、なんだかんだ食べたかったもの結構食べてるな。ラーメン群とタレカツ丼が心残りなので次回はがっつり飯の旅でもいい。でもそんなこと言っていざ新潟後に降り立ったら海鮮!海鮮!!とかになっちゃうのかもしれませんが。
この記事をまとめながら振り返っててもやっぱり楽しかったなー!と思います。ほどよく予定を詰め、やりたかったことを結構達成し、おいしいものもたくさん食べた。山形も新潟もどっちもすごくいいところだなぁと思いました。
あと今回新米の季節にはまだ早かったんだけど、その分借り入れ前の田んぼをたくさん見れたのが楽しかったです。私が育ったのは大阪とはいえとてもじゃないけど都会ではないみたいなところなんだけど、それでもおうちの近所にあたりまえのように田畑があるような土地ではなかった。海は遠いしなんなら川もなく、あるのはまあ人工のため池ぐらい? みたいなところで生まれ育って、今住んでいるのも似たような環境です。俳句をしていると田んぼや田植えにまつわる季語ってほんとにめちゃくちゃ多いのですが、そのほとんどすべてが私にとっては実感が薄いというか、すぐにその光景が目に浮かぶみたいな身近な言葉ではなかったので、いやこういう風景のなかで生活していたら稲穂や田んぼにまつわる語彙はそれは豊富になっていくよな……みたいなことも考えていた。でも次行くなら絶対新米が出回りはじめてからがいいですけどね。どうせならね。