昨日人生ではじめてびっくりドンキーに行ったという話をしたのですが、びっくりドンキーにはパインバーグディッシュというメニューがあります。ハンバーグにパイナップルがのったこのメニューのことをびっくりドンキーに行ったこともなかった私が知っているのは、パインバーグディッシュの存在意義がわからないという人がいざパインバーグディッシュを実食した結果おいしいじゃん、と鞍替えするみたいなエピソードをインターネット上で何度か目にしたことがあるからで、手のひら返しの勢いがすごい人が多くてどうしても気になっていたのでした。まあ実際私が食べたのはエッグバーグディッシュなんですけど。
結局頼まなかったものの、ハンバーグにパイン、という組み合わせ自体に私はあんまり抵抗感はなく、なんならおいしいだろうなぁとも思っている。理由は、かつてシュラスコが流行り倒していたことに行ったシュラスコのお店では、当日参加者満場一致で「一番美味しい!」になったのが焼きパイナップルだったため、パイナップルは何なら焼いたほうがおいしいという認識になっていることがまずひとつ。あとはこどもの頃、お中元の時期に必ず夕食にハムステーキが出たのですが(たぶんおすそ分けなどでそのタイミングにだけいいハムがおうちにあったのだと思う)うちのハムステーキは必ず焼いた缶詰のパイナップルと二段重ねになっており、子供の頃の私はそのパイナップルとハムを重ねて食べるのがその時期だけの楽しみで、つまり肉とパイナップルはそりゃ合うだろ、ぐらいの気持ちでいるためです。ただ、びっくりドンキーのハンバーグってライスといっしょに盛られているので、パイナップルを添えたハンバーグがごはんに合うか否か、に関してはちょっとだけ懐疑的かもしれません。たぶん幼い私もハムステーキはハムのみ部分でごはんを食べすすめハム+パイナップルターンはそれだけを味わっていた。パイナップルでごはんは食えん、という気がする。
ちなみにこのパインバーグ、「酢豚にパイナップルが許せる人なら好きだと思う」みたいに書かれているのも見かけたことがあり、私は酢豚にパイナップルが入っていること自体はぜんぜん大丈夫、というかこれまた実家の酢豚に普通にパイナップルが入っていたからそもそもそういうものだという認識なんですけど、一方で酢豚というメニュー自体があまり好きではない。理由はすっぱいものが苦手だから。甘酢あんとかもなんだけどとにかく酸味はごはんに合わない、とかたくなに信じている節があるので、晩ごはんが酢豚だと普通に困っていました。パイナップルの有無とか関係なく酢豚ってそもそもごはんのすすむおかずじゃないと思っているんだけど世間的にはどうなんだろうな。
ちょっと話が変わりますが、昔北欧周りの諸々にはまっていたことがあって、この頃、確か奈良辺りにあったスウェーデン料理を食べられるカフェまで足を運んだことがあります。スウェーデンの伝統的な料理のなかにミートボールのクリーム煮にジャムを添えたものがあって、それを食べてみたかったのですよね。ちなみにかなりおいしくて行ってよかったなーといい思い出になっていますが、このメニューに添えられていたのは当たり前のようにパンだったし、私はこのおかずにごはんを添えられていたらけっこう困ったと思う。西洋料理だと、鴨とオレンジとか、肉料理にフルーツ系のソースはけっこう定番かと思うのですが、あれって添えられる主食がパンだからこそのような気がする。普通にフルーツジャム塗るだけでおいしいからねパンは。だからピザにパイナップルも全然好き、ピザ生地はおおむねパンなので。でも果物とごはんにはいまだにまあまあ忌避感があって、たまにあるカレーのごはんにレーズン乗ってたりするやつも実はちょっと嫌です。
ただ、我ながら謎なんだけど、そのわりにこどものころ好きだったメニューのひとつに「あじときゅうりとグレープフルーツのちらし寿司」というのがあって、これはもう本当に字面の通りなんだけど、鯵の干物のほぐし身ときゅうりとグレープフルーツと白胡麻だけが具材のちらし寿司……というかむしろ混ぜご飯なのかな、そういう食べ物です。私はちらし寿司が嫌いなこどもだったんだけど(すっぱいものが苦手なので……でもにぎり寿司の酢飯は大丈夫だった、それもまた基準が謎ではあるなぁと思う)たぶんふつうの酢飯より酸味がマイルドで、鯵の干物の塩気が強めに効いている分こどもにも食べやすかったのかもしれません。
これ、母の創作料理だったのか、何らかの雑誌なり新聞のレシピ欄なりから仕入れたレパートリーだったのかもわからなくて、詳しいレシピも知らないし、ごはんにグレープフルーツを混ぜ込む、という手順をいざ自分の手で再現しようとすると拒否反応がでそうだし、下手に記憶だけで作ろうとして記憶の味にならなかった場合ぜんぜんおいしくないものが生まれる可能性がめちゃ高い気がしていて恐ろしいので挑戦できません。そもそも最後に食べた記憶が遠ざかれば遠ざかるほど、あれがおいしかったというのも幻の記憶だったらどうしようという気持ちになってきている。だってごはんと果物だし……。最近Xで見かけた長谷川あかりさんのアジキューライスが、組成的にもかなり近しい食べもののような気はしたんですけど、あれもさすがに果物そのものが混ぜ込まれているわけではないのでちょっと違う……よなぁ多分……そもそもあれは生のアジだしな……。
愛媛の郷土料理にみかんごはんというものがあるらしく、はじめて聞いたときは「ごはんにみかん!?」とぎょっとしたものですが、この記憶を踏まえると案外悪くないのでは……という気持ちもあり、でも食べたいか食べたくないかみたいな話になるとやっぱり抵抗はあるんですよね。みかんごはん、食べたことある方でも賛否は激しく分かれるみたいだし、だったらこのグレープフルーツのちらし寿司も、こどものころの私にはハマったけど無理な人にはぜんぜん無理なメニューなのかもしれない。でも時々、もう一度、食べたいなぁとふと思い出してしまうのでした。