家飲みの酒の選択肢にワインが入ることって基本的にはないので、ワインって私にとっては一番買わないしなんなら外でも飲まない酒類なのですが、今年は珍しくボジョレーヌーヴォーを買いました。イオンのちょっといいほうのやつと、Amazonで売ってたオレンジワインの小瓶。ボジョレーにもロゼとかオレンジとかあるんだなってびっくりしちゃった。買った理由はまああのなんというか……推し絡みというか……なんか推しが近年は毎年ボジョレーを飲みながらただ他愛もないことをだべるだけみたいな配信をメンバーとコラボでしているんですけど、去年のそれで今年のボジョレーめっちゃ飲みやすくておいしいねという話をしていたのがやたらと印象に残っていて、今年もやるかもしれないし一本ぐらい買ってもいいかなぁと思ってしまって……はい……。でも一時期に比べるとボジョレーヌーヴォーって全然店頭に並ばなくなった。個人的な実感としては去年ぐらいから本当に顕著に店頭で見なくなった気がします。なんでだろうな? 昔ほどは売れないのかな? お祭り感はだいぶなくなりましたよね。
ところでうちは両親がどっちも毎日お酒を飲むタイプの人間なのですが、好んで飲んでいるお酒は父がとりあえずビールからの日本酒とか焼酎で、母はお付き合いビールからのワインでした。母がワインをたしなみはじめたきっかけは、たぶんひとむかし?ふたむかし?前のある一時期に日本のご家庭でワインが大流行したことだったんじゃないかと思う。それこそボジョレーヌーヴォー解禁がテレビの朝のニュースなんかで大きく取り上げられるようになったような時期とかなんじゃないかな? たしなみはじめた当初は本を買ったりラベルを集めたり飲んだワインについての感想ノートみたいなものをつけたり、と結構凝った楽しみ方をしていた気配があるのですが(ちなみに私もビールにばかほどハマっていた頃にはラベルを集めたり味についてのメモを残したりしていた時代があり、ジャンルが違うだけで全然同じことをしているのが親子だなぁと思う。ラベルはビールにしろ日本酒にしろ今でもなるべく剥がして取っています、記念に) 最終的には全部おいしいけど違いはよくわかんないねーで決まった安い箱ワインを常備する方向に落ち着いていました(ここもまた親子……いや私は特に銘柄を決めずにむしろ様々な酒をふらふらする方向に進んだんだけど……)
実家の台所にはだからほぼ常に赤と白の2種類のワインが並んでいて、母は毎日料理に合わせてというよりはおそらくその日の気分で飲むものを決めていたふしがあります。なぜなら時折、というかけっこうな頻度で「ああこれやっぱり全然合わないわー」みたいなことを言いながらもすいすい赤ワインを飲んでいた記憶がやたらと印象に残っているため。実際赤ワインって家庭料理に合わせるの難しいと思うんだよな。肉じゃがとかすき焼きとか甘辛い系の和食には合うんだと思うんですけど、お刺身とか魚介類とか、あと私は揚げ物系もなんかイメージが湧かなくて合わせられない。それでも、白もあるのに赤もよく飲んでいた気がする母はたぶん本当にちゃんとワイン、特に赤ワインの味が好きだったんでしょう。
つまりはワインはおいしいもののはずで、だから私もワインのことを分かりたいとは言わずともおいしくたしなめるようにはなりたい。でもワインもかなり経験値のお酒という気がしていて、あんまりおいしく飲めているという実感が持てないんですよね。いやおいしいんだけど、飲んでる時はたいがいおいしいって思っているはずなんですけど、でも飲んでるときどうしても「私は本当にこのワインのおいしさを理解しておいしいと感じているのか……?」みたいな気持ちになってしまう。これは、その……なんなんでしょうね……? ワイン難しい症候群とかワインコンプレックスみたいな何かがあるのかもしれない。
コロナ禍の前だからけっこう前かな? 通勤の乗り換え駅に気楽にサク飲みできるワインバーというかワインスタンド? みたいなところができて、店員のお姉さんが優しくて素敵だったのでいろいろと質問しながらそこで結構飲んでいだことがあって、その時も結局、全部おいしいし飲んでる時はなんとなく違いもわかる気がするんだけどじゃあどれがお気に入り?て聞かれるとわかんないな、になっていた気がします。去年ぐらいにワインがわかんなすぎるから逆に飲みたいんですよね、みたいな話からはじまって料理に合わせてワインを選んでくれる系のちょっといいビストロに行ってみたこともあるんですけど、これまたすべてがおいしかったという記憶は残ってるんだけど具体的においしかったワインの名前とか品種名とか、どんな風においしかったみたいな記憶は全然残ってない。他の酒なら分かるのかと言われればまあ他のお酒も分かってはいないんですけど、すくなくともビールに関してだけは「今日飲んだ中ではこれが一番好みだった」の判断をわりあいちゃんと下せる気がするので、そういう意味で私にはビールがやっぱり1番わかりやすいのかなと思っている……まあこれも多少は経験値的な話になるのかもしれませんが……。
あとワインに対する苦手意識、やっぱりワインの相棒として一番よく挙げられるチーズに対する苦手意識もめちゃくちゃ大きい気がします。ごはんのお供には難しい、合うおつまみも見つからない、じゃあわざわざワインじゃなくていいよね、になっちゃう。とくに家だとそれが顕著ですね。ちなみに今回はレーズンと殻付きピスタチオと、ともだちにもらったたぶんちょっといいチョコレートを添えていました。チョコレートおいしかったな。これに関しては単純にチョコレートがおいしかっただけでマリアージュとかではないのかもしれないけれど、だからなんか、実はワインってごはんのお供にするよりデザートとか、甘いものに合わせるほうが考えやすいし飲みやすいのかもしれない、みたいなことを今回ちょっと思いました。私は酒類を、ごはんをよりおいしく食べるための存在だと考えているフシがありますが、ワインに関してはそういう意味では酒類よりもコーヒーとかに近い方向性の嗜好品なのかもしれない。焼き菓子とか合うのかな。サレ系のクッキーはわりと合わせるとよさそうな気もします。サレクッキー、好きなんですけどサレといいつつしっかり甘さもあるやつが多いので、おつまみとして食べるには合わせる酒を選びがち、みたいなイメージがあって、ああいうののお供にはいいのかもしれないな。
まあ今我が家にそういうものはないので、まだ残っているボジョレーヌーヴォーは……どうしようかな、今夜はトマトソースのパスタでも作ろうかな……それかそろそろクリスマスシーズンだし、オレンジジュースか何かで割ってグリューワインよろしく温めて飲むのもいいかもしれません。一晩では飲みきれない、もワインの敷居の高さのひとつだと思う。飲みきりタイプとか缶ワインとかも増えてきているのは知っているのですが、そっちで試してみようってあんまりならないのもやっぱり苦手意識なのかなぁ。克服したいという思いは常にあるのに、不思議なものです。