ピアノをはじめて一年経つので一度ちゃんとピアノの話をしたいと思う

satsuki
·
公開:2024/9/21

小さい頃にエレクトーンを習っていたことがあるような気が、昔からしています。どうしてそんなにおぼろげなのかというと物心ついたときにはもうすっかり弾けなくなっていたからもはや確証が持てないみたいな理由です。私はものごころつくのがだいぶ遅かったので、こどものころの記憶としてある程度はっきり思い出せるのはおおむね中学以降ぐらいなのですが、その頃にはもうぜんぜん弾けなかった、はず。ちなみに中学の頃はギターに興味が生まれ、これもちょっとだけ練習していた事がある気がする(やっぱりおぼろげ)のですが、その時点で既に鍵盤楽器は諦めていたフシがあるので、つまりエレクトーンはあまりにも上達しなくて早々に嫌になったのかもしれない。ぜんぜん覚えてはいませんが一年も続けてないんじゃないかな。

たぶんヤマハとかの大きい教室ではなくて、自宅で個人で開いているようなこじんまりしたレッスンに通っていたような気がするし、姉と一緒に通いはじめた、というか姉が習うからみたいな理由で無理やりついていったような気もする。すべてがおぼろげでなんにも自信が持てないのですが、ただひとつ間違いのない事実として昔住んでいた家にはエレクトーンがありました。あとは私の記憶が確かならたぶん32鍵ぐらいだったのではないかと推測されるおもちゃみたいなキーボードもあったのですがあれなんでうちにあったんだろうな、母のものだったのかな……謎です。ちなみにギターは父親が独身時代にちょっとだけ触っていたという、当時の時点ですでにだいぶ古かったおそらくはフォークギターで、昔はわかっていなかったけれどたぶんネックとかも太くて、中学生の女の子が弾くには少々大きすぎたのでは、みたいなことをたまに思い出します。自分の手の大きさに見合った弾きやすいギターをあのとき買っていたら私も無事Fのコードを克服してギターじゃんじゃか弾けてたかもしれない。嘘です。当時の私はFのコードも一応押さえられてはいたのですがたぶんきれいに鳴らせてはいなかったし、そもそもコードチェンジが下手くそすぎていちいちもたつくのでぜんぜん上達しなかった。

弦楽器も鍵盤楽器もまったく上達せず、ついでにいうとまあ歌もへたくそだったので音楽に関してはけっこう早い段階で見切りをつけて、私はプレイヤー側ではなく楽しむ側でいいや、となっていき(ちなみにそんな音楽センスのない人間にも演奏する楽しみが擬似的に体験できるポップンミュージックというゲームがありこれとの出会いでたぶん私の人生は相当狂っているんですけどそれは今回関係ない)そのうち聴く側としてもそんなに熱心ではなくなっていくわけですが、ここ数年久々になんか、いや音楽やっぱり楽しいな!?みたいな気持ちで聴きあさりはじめるようになってきて、聴いているとやっぱり自分で演奏できたらもっと楽しいのかなと思う機会も増えてくる。

いわゆるコロナ禍で暇を持て余していた時期かな? コロナ禍も後期かもしれない。それぐらいからじわじわそんな気持ちが生まれはじめて、ギターか、あるいは鍵盤だけの電子ピアノを買ってもう一度ちょっとチャレンジしてみようかなーみたいに悩んでいたら、友達がそれこそコロナ禍のときに衝動買いしたけど結局全然弾いていない、という電子ピアノを譲ってくれることになって、それがちょうど一年前ぐらいのお話です。鍵盤だけのキーボードみたいなコンパクトな電子ピアノで、一応ペダルとかも付いていて、スタンドも一緒にあげるよ!みたいに言ってくれたので一式そのまま譲ってもらって。最初はもうどこからはじめていいかわからなかったのでとりあえずという気持ちで年額の独習アプリみたいなのを入れてみて、ある程度慣れてなんとなく両手で弾けなくもないぐらいになってからは好きな曲とかをぽつぽつと練習したりしなかったり、みたいな付き合い方をして一年。

なんと全然弾けるようにはなっていない。

己の才能のなさが恐ろしいですね。正確にいうとさすがにまったく弾けないまではいかないというか、ブルグミュラーの練習曲を2曲ぐらいはいちおう覚えて、何度か練習したうえでならつっかえずに弾けることもあるかもぐらいにはなってたり、好きな曲のサビだけとか好きなメロだけをぽろぽろ鳴らすことはできたり、というレベルで、たぶんさすがに去年の今よりは鍵盤楽器というものに親しみは生まれている、はずだと思う。思うのですが、でもヘ音記号の楽譜は全然するっと読めないし、難しいリズムが出てきたらよくわかんなくなって詰まるし、あと特にポップス系っておおむね左手はコードの伴奏みたいな感じの動きになるんですけど、そのコードチェンジの部分で絶対にもたつく。〇年のブランクをものともせずギターのときと同じことをやっている……!と自分でもびっくりしてしまった。たぶん根本的にリズム感がないんでしょうね……思えば音ゲーでもとことんパーフェクトをとれないへたくそプレイヤーでありましたね……。

なかなか上達しないので難しい部分を練習しようとすると弾けなさすぎて悲しくなるし、仕事でめちゃ疲れてしまったり遊ぶ予定とかピアノの練習より楽しい用事がたくさんはいると普通にピアノのこと忘れるし、そんな練習態度だからなおさら全然上達とかしないのですが、でもピアノ触ってるのは楽しいので譲ってもらえたの本当に良かったなぁと思っています。本当なんです。信じてほしい。

すこし前にX(旧Twitter)で、30歳を越えたら昔興味はあったけど出来なかったことに一通り手を付けてみるといいみたいな話を見かけて、それは絶対そうなんだよなぁと私もこんな年でピアノはじめたからすごく思う。向いてる向いてないとか、上達するしないとか、なんなら続くか続かないかも、まずはじめてみないとわからないわけだし、明らかに自分には向いていないけれど楽しい!ということも世の中には案外あるような気がします。おとなの趣味は、たぶんどんなにへたくそでも誰かに披露するためのものじゃないし誰にも文句は言われないのがたぶん一番いいところで、もちろん教室に通ったり発表会に出たりってなったら話は変わってくる(し、ちゃんと上達したいなら絶対そういう行動を取ったほうがいいとも思う)んだけど、ひとりの時間の気晴らしの選択肢が増えるだけでちょっとだけ人生は豊かになるんじゃないかなとか、趣味なんて結局それだけのためのものなんじゃないかなとか、最近はそういう気持ちで気まぐれに親しんでいます。

そして、ぜんぜんピアノは上達していないくせに「昔興味のあったことに一通りチャレンジしてみるべき」ならこの際ギターもやるべきなのでは……?みたいなことも思っているのが最近の近況なのですが、私が弾きたいのは多分アコギだしイヤホンで練習出来る電子ピアノとは違ってギター練習しようと思うとご近所の皆様に私の下手くそな練習の音をお届けしてしまう可能性が、めちゃくちゃ高い。さすがにそれはな……ということでなんとか留まってはいます。いやでも……ギターもいいよねやっぱり……。