私はおたくなので、推しの誕生日にはケーキを食べます。でもあくまでゆる追いおたくなので、グッズを集めて祭壇を作ったりはしません。なんなら、推しの誕生日だからとケーキを買って帰るくせに、そのケーキの写真を撮るときに推しのアクスタを添えるみたいなこともしませんし、買うケーキにしたって、推しの好きなものとか、イメージカラーに合わせてとか、そういう選び方はしない。ケーキを買うときいつだって私は、その瞬間自分が食べたいものを選ぶことしかできない。だってそっちのほうがおいしそうだし。
推しっぽい人たちがひとりかふたりのときは別にいいのですが、長年おたくをしていると推しというのは増えてゆくものです。そのうえ、今の私はなんと13人で活動している配信者グループをゆる追いしている。もちろんさすがに全員を同じぐらいの熱量で好きだとは言えなくて、その好きの中にはそれなりのグラデーションは存在するわけですが、「このひとはケーキを買うぐらい好きで、このひとは別にケーキは買わなくてもいいぐらいの好き」みたいな区分けは私もめんどうくさいです。みんなでわいわい活動しているところが一番見てても楽しいので、楽しく健やかに活動続けてほしいという気持ちは全員にたいして同じぐらい持っているし、それに、おいしいケーキを食べていい機会は年に1回でも多いほうがうれしいよね、という開き直りもあって、今年に入ってからはもう全員の誕生日にケーキを買って帰ることにしています。おかげさまでケーキの消費量がものすごく増えました。
ちなみに、TLで見かけた知り合いとか、ともだちなんかの誕生日も、気付いたり思い出せたらケーキを買って帰る日にすると決めていて、それらの日のことを私は「合法ケーキの日」と呼んでいます(これなんでこんな言い方してるんだっけな? 元ネタ的なものがあったのでしょうか……自分が使っている言葉なのにもうまったく思い出せない) 私は信じられないぐらい人の誕生日を覚えられない人間なので、思い出せたり気付けたときだけなんですけど。
好きなケーキ屋さんは、帰り道にあるデパ地下の中にみっつぐらい。最近見つけた職場の近くにひとつ。けっこう遠かったり、行くのがちょっと大変だけどすごくおいしかったから、機会があればまた買いに行きたいと思っているお店も3軒ぐらいあります。合法ケーキの日はなんだかんだと平日が多いので、遠いところに仕事帰りに買いに行くのは難しい。あと、すこし前に遠方に住むともだちがケーキ屋さんって水曜休みが多い、みたいに話していたのですが、私が好きだなぁと思ったケーキ屋さんはなぜか月、火休みがすごく多い。結局ケーキを買うお店は、いつでも立ち寄れて、安定しておいしいデパ地下のお店が多いです。さいわい一番好きなのがフルーツタルトのお店で、季節ごとに季節のフルーツの新作が出るし、そこ以外でもやはりケーキ屋さんは季節ごとの新作が絶対にあるので、毎回同じケーキ、とかにはならないし、むしろ毎回選ぶのには苦労するぐらいなんですけど。
さて、昨日は合法ケーキの日でした。そして、今日も合法ケーキの日です。
先述したとおり、今年に入ってからめちゃくちゃケーキを買って帰る機会は増えたのですが、それでもさすがに2日連続で同じお店のケーキを買うのはちょっと恥ずかしい気がする。9月にも、合法ケーキの日と自分の誕生日が連続するタイミングがあって、その時は私が誕生日休暇を取っていたのでけっこうケーキのために遠出ができました。しかし平日です。配信者の人たちはたいてい誕生日に配信をしたりもするので、寄り道して帰宅が遅れるのもなかなか本末転倒になる。選択肢はそこそこに限られてきてしまう。
昨日は職場の近くのお店でケーキを買いました。前回も多分そこで買って、その時見かけたタルト・タタンがすごくおいしそうだったから次来た時に売ってたら絶対それにしよう!と決めていたのですが、残念ながら昨日は置いていなくて、これも以前から気になっていたチョコレートケーキを選びました。おいしかった。おいしかったけどタルト・タタンへの未練がすごい。とはいえそこはけっこうちいさいお店なので、2日連続はやはりちょっと気まずい。だから、たぶん今日はデパ地下に寄ります。デパ地下は選択肢が多いので今からちょっとわくわくしている。仕事はいつだってまあまあ憂鬱ですが、今日はケーキを買うぞ!と決めている日は、これが終わればケーキ、とか、今日はどんなケーキを買おう、みたいなことを考えて過ごせるのでちょっとだけ気が紛れる。
これだけ話しておきながらこんな事を言うのもどうかと思うのですが、私はケーキという食べ物自体はたぶん別にそこまで好きではないような気もしている。もちろん食べておいしいとは思いますが、それ以上に、眺めて楽しい、選ぶのが楽しい、みたいなところにケーキがくれる幸せのピークは存在するんじゃないかな? 昔は、手土産なんかで小さな紙箱にぎっしり並んだいろんな種類のケーキから「好きなの選んでいいよ」と言われる瞬間が一番わくわくしました。今はそんな機会はもう滅多にないので、代わりにショーケースを眺めながら、思う存分自分の好きなものを選んでいるのかもしれません。結局ひとつを選びきれずに2つ買っちゃうみたいなことも多いんですが。