9月12日

沢村
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公開:2025/9/12

 ビックサイトに行った。体調が良ければもっと色々巡って楽しめたのだろうけど、ギリギリ挨拶回りと、聞く必要のあるセミナーを一個聞くに留まる。仕事スイッチがオンになれば、多少動けるし話せる。でもベローチェに入ると(TLに流れてきたBLギャグ漫画で、ビクサイ近くのベローチェは神だと知り、行きたかった)、でれーーーーんとなってしまった。お姉さんは優しいし、ナポリタンは美味しいけど食が進まない。何とか食べ、しばらくでれーーーーんとして、今帰路である。文字を書いたり読んだりすることは、比較的に体調が悪くてもできるなぁと思う。

 ビックサイトは仕事でよく行く。趣味でもよく行く。入社まもなく、『人事のお姉さん』だった時は足繁く通い、ベラベラとよく喋ったものだ。土日仕事が多かった。年間30日くらいか。でかい箱の時も、一対一の時もあったが、ある程度筋書きをもって話すことは苦手ではないので、向いていたと思う。

 今法律の仕事をしているのは、適正よりは寧ろ、『自身に締切がない』ことや、『身体は必要ない』ことが理由である。時々人事の仕事が恋しくなる。イベントを企画したりとか、お祭りみたいに残業したりとか、無意味だろ、みたいな出張をしたりとか。当時はリモートもなかったし、たまたまチームメンバーの仲が良く、楽しかった。異動後も兼務をかけられて、前向きに採用活動に参加していた。

 当時も私は比較的気が利かず(イベント仕事で気が利かないのは致命的だ)、イベント準備でよくわからないコードを持って戸惑うなどしていた。その上なぜこんなに仕事を捌いて数字を出しているのにパンフレットの写真撮影に呼ばれなかったんだ! ブスだからか! と役員に詰め寄るなどもしていた。(ちなみにおそらく正解である)。一番楽しかったのは大学生と話しながら企業説明をするというものだ。社会人は学生と話す時ついつい見栄をはってしまうし、アゲられて気分がよくなってしまうものだが、なるべく、なるべくそうならないようにしていた。色々話す中で、自分は何も考えてないオッペケペーな大学生だったのだが、他の子は全然そんなことがないということを学んだ。年下とか年上とか、あんまり関係ないなぁ、しっかりしてる人は本当にしっかりしてるなぁ、と思うようになったのは、この辺の経験故である。

 そんなこんな、若干懐かしくなっていると、当時の同僚(同期)からLINEがきた。彼は極めて常識人で、イケメンで、気が利く人で、潔癖症で、気が合わなかった。パンフレットに載る側の人だったので、憎く思っている。

 彼もまたキャリアに悩んでいるらしい。まぁ、そんな年齢である。やりたいことというより、子育てと両立できる領域を探しているらしい。偉い、偉いわぁ、イケメンなだけでそこそこ偉いのに、偉いやつはどこまでも偉い。

 色んな会社の人、色んなバックグラウンドの人が、ビクサイには来る。それが企業向けのフェアでも、同人誌即売会であっても。

 仕事でも、そうじゃなくてもいい。今、現実的な最適解を求め、可処分時間を気にしている多くの大人たちが、いつかまた『わー!』とか『ぎゃー』とか言いながら、そこそこ仲良く何かができるといいなぁと、思う。