「何かにつまづいて、それまでの自分をふり返ってみるたびに、わたしっていつも同じようなことでつまづいているなって。
一生懸命歩いてきたつもりなのに、同じ場所をぐるぐる円を描いて戻ってきただけな気がして落ち込んで。
でも、わたしは経験を積んだんだから、それが失敗にしろ成功にしろまったく同じ場所ってことはないよね。
じゃあ、円じゃなくて螺旋だって思った。
一方向からみたら同じところをぐるぐる、に見えても、きっと上がっているか下がっているかしているはず。
それなら少しはマシかな。
それよりも人間は螺旋そのものかもしれない。
同じところでぐるぐる回りながら、それでも何かあるたびに上にも下にも伸びて行くし、横にだって。
わたしが描く円も次第に大きく膨らんでそうやって少しずつ螺旋は大きくなっている。
そう考えたらね、わたし、もう少し頑張れるって思った。」