ディスプレイを買いました。Titan Army P275MV MAXです。
第一印象
サイズ感
思ってたより小さい!
4Kって言うくらいだし、もともと使ってたEIZO FORIS FS2332と比べるとでかいかと思って置き場所も確保したのですが、サイズ感としては変わりませんでした。
と言うのも、やはりベゼルが細くなった影響が大きいです。それにしたってまさか、23インチと27インチがほとんど変わらないと思うほどとは思いませんでした。
ただ、箱は要注意です。ちもろぐさんにはほかの機種と同じ箱を使い回しているらしいとしか書かれていませんが、明らかに32インチとか、もっとでかいモデルの箱です。隙間部分に発泡スチロールが入っています。あまりにデカすぎて押し入れに入りませんでした。まさか本体は小さいのに箱がやたらデカいとは、思いもしませんでした。
明るさ
意外だったのは映った感じがあんまり変わらなかったことです。
FS2332は最大輝度がだいたい250nits程度で、26000時間ほど使っていたことを考えると経年劣化でおそらく200nitsは切っている状態かと思います。それに対してP275MV MAXは最大1900nitsに達するというカタログスペックになっており、輝度を全開にすると目がつぶれるほどという定評があります。しかしながら、いざ映してみると印象が変わらなかったんですよね。
調べてみたらいくつかの要因がありました。
まずデフォルトで中程度の強さに調整されているローカル調光です。ローカルディミングとも呼ばれます。これで暗めの画面はより暗く調整されます。
それからデフォルトでSDRになっていることです。めっちゃまぶしいのはあくまでもHDRで太陽などを映した場合で、初期状態のSDRだとそんなまぶしい状態にはなっていないようです。考えてみればメーカーも馬鹿じゃないんだから、そんなめちゃくちゃまぶしい状態で売るはずがないんですよね。
フォント
期待していたのと懸念していたのは文字の見え方です。
期待はとにかく文字にたくさんピクセルを使うことで文字がきれいに描かれることで、これはまあ期待どおりと言った感じでした。ただ、実のところどんなに高級なパソコン用ディスプレイでもiPhoneには劣るという現実があって、iPhoneを見慣れてしまうとそこまで感動できないという悲しさがあります。P275MV MAXでは1インチあたりのピクセル数を示すppiという単位で160ppiというかなり精細な描画がされています。FS2332は96ppiらしいんでおおよそ倍です。でもiPhoneは460ppiなので、ぶっちゃけiPhoneと比べた時点で、もはや勝負にもならないんですよね。
ちなみに勝負にならないのは精細度だけでなく、最大の売りである輝度ですらiPhoneに及びません。じゃあP275MV MAXのminiLEDの量子ドットではなくiPhoneと同じOLEDなら勝負になるのかと言えば、パソコン用ディスプレイでそんな輝度の表示をしたら焼き付き待ったなしなので、むしろパソコンのOLEDはminiLEDよりはるかに輝度で劣るという現実があります。iPhoneはそんな真っ白の画面を長時間表示しないからあんなめちゃくちゃ明るい画面が実現できるんであって、パソコンじゃ無理ってことです。ちなみにiPhoneには自撮りの際にフラッシュが使えるRetina Flashという機能がありますが、この機能は光量全開で真っ白な画面を表示しているだけらしいです。iPhoneは本気を出せばフラッシュの代わりになるくらい明るいってことになります。
懸念していたのはハロー現象です。ローカル調光を行う機種では、黒い背景に明るいものが映ると明るいものの周りに光が漏れるという現象が起こるそうです。これはmini LED固有の問題で、画面の周辺から照らす従来のエッジライト方式では起こりません。が、実際に見てみると全然気になりませんでした。
調整
そのままでも一応使えるのですが、そこそこ高い機種なのになにも調整しないと、マジでFS2332と変わらんという感じになっていました。考えてみたらむしろ当然で、なにも設定を変えていないのに突然映り方がガラッと変わったらそれはそれで困るんですよね。
リフレッシュレート
普通に繋ぎ変えたままだと60Hzのままでした。なのでとりあえず限界の170Hzまで上げました。なぜかNVIDIA Appから変更したら映りませんでしたが、Windowsからの変更で問題なく動作しました。このあたり、まだ新しめで不安定なところがあるようです。
グラボはGeForce RTX 3060なんですが、このレベルでもさすがにWindowsの描画くらいなら安定して170Hz出るようで、ウィンドウのサイズ変更とかがめっちゃぬるぬるして感じます。ぶっちゃけリフレッシュレートの向上で一番差を感じたのはこのウィンドウ操作です。
可変リフレッシュレート
ものすごくいろんな呼び方のある機能です。Adaptive-SyncとかFreeSyncとかG-SYNCとかVRRとか、よりどりみどりです。
名前はややこしくてもやっていることは簡単で、ゲームなどのFPSに合わせてリフレッシュレートを変える機能です。そうやって描画タイミングと画面の更新タイミングを合わせることで、突然ガタッとなって非常に不愉快なスタッタリングや、画面の途中で横に引き裂くような見え方をするティアリングを防いでくれます。
なんとこいつ、デフォルトでオフになってました。あと、オンにしてもウィンドウモードだとあんまりうまく動いてくれないらしいです。デフォルトだと現代ではChromeなんかもGPUを使って描画してるんで、どうもゲームをアクティブにしていてもChromeのフレームレートも計算に含めるようです。なのでフレームレートが48Hzと170Hzを反復横跳びするような挙動になってしまいます。そういうわけで僕の環境ではフルスクリーンモードじゃないと使い物にならない機能でした。Chromeを落としたりハードウェアアクセラレーションを無効にしたりすりゃいいんでしょうけど、ブラウザの使えないパソコンなんてただのゲーム機だし、ハードウェアアクセラレーションのないChromeじゃテレビ会議もYouTubeもまともに動かないわけで使い物になりません。
ただ、実のところ今のパソコンになってからあんまりスタッタリングやティアリングで困ったことがないんですよね。唯一気になったのはFFのピクセルリマスターですが、こいつはどう見ても重いゲームじゃないのでこの手の機能で解決する問題じゃないような気もしています。
Windows HDR キャリブレーション
ディスプレイでどの辺まで色が出るかというのは、最終的には人間が目で見て判断しないといけないようで、調整機能がついています。Geminiに聞いたら、HDRを使うならとりあえずやれと言われたのでやっています。なので、やってない状態だとどうなるのかはよく分かりません。
調整後の印象
とりあえずローカル調光の設定をSDRとHDRで別々に覚えてくれるのがありがたいところです。やっぱりHDRならガッツリ攻めたいし、SDRならそんなにがんばっても意味がありませんので。
ゲーム
そもそもHDR対応のゲームを一つも持っていないのでWindowsの自動HDRを使った感じ、やっぱりまぶしいって感じです。逆に、こいつを試さないと新しいディスプレイにしたって印象は持てませんでした。2Kから4Kになったらすごい高精細に感じるのかと言えば、別にそんなでもありませんでしたし。
とりあえず、スターオーシャンセカンドストーリーRのタイトルロゴの鮮烈な青が印象的でした。
あとはFF14のソリューションナインとリビングメモリーですね。ちなみにリビングメモリーは、シャットダウンはしていない明るい状態で見てました。
Windowsの自動HDRだけでなく、GeForceにもRTX HDRという機能があります。こいつはWindowsより賢く、その代わりに負荷がかかるという話でした。ただちょっと試しただけだとよく分かりませんでした。パラメータ調整みたいなのがあったのでその辺うまくやらないと違いが見えないのかもしれません。
あと、フルスクリーンならそんなに気にすることもないのですが、ウィンドウモードだとウィンドウゲームの最適化という機能が影響します。これは古いゲームであってもDirectX12で使われるフリップモデルという方法で描画するようにWindows側で書き換えてしまう機能だそうです。こいつを有効にしないと自動HDRや可変リフレッシュレートが使えないそうなのですが、一部のゲームではこいつを有効にすると動作がもっさりしてしまうんですよね。具体的には、FF14とかFF14とか、それからFF14とかです。ちなみに仮想フルスクリーンは内部的にウィンドウモードと同じなので、つまるところFF14でHDRを使いたかったらフルスクリーンにするしかないってことです。
動画
はっきり言って効果は謎です。RTX Video HDRというのがあってHDR化はできるらしいんですが、なんかライトが明るい気がするなあという程度です。
RTXのHDR化じゃなくてちゃんとHDRに対応した動画を見ないといけないのかもしれません。
まとめ
高性能は高性能なんでしょうけど、保証込みで87000円も出すほどではないかなあ、というのが印象です。
明らかに違う!と言うためにはHDRが必要ですが、ゲームにしても映像にしてもそのHDRに対応しているコンテンツがあまりにも少なく、Windowsの自動HDRやRTX HDR、それから映像のRTX Video HDRあたりに頼らなければならない時点で、HDRにお金をかけるにはちょっと時期尚早という感じはします。
Ghost of YōteiとかFF16とかのネイティブでHDRに対応しているゲームや、HDRに対応している動画を見る予定があるならいいんじゃないかって感じではあります。
SDRでも全然違う!というようなことを期待してたところがあるんですが、そういう感じではありませんでした。ぶっちゃけSDRで使っている分には15年前のFS2332と比べても大差ありません。もちろんそのFS2332が腐ってもEIZOってのはあるんでしょうけど。