百年前の映画に、謎を解くカギは隠されていた──!?
国立シネマアーカイブの企画「サイレントシネマ・デイズ2022」で『ロビンソン・クルーソー漂流記』(1927・英)を観たことがある。

スクリーンのロビンソンは冒頭、スタン・ハンセンみたいな顔立ち。ところが大嵐に遭い〝不沈艦〟すら座礁。無人島の日々で髪もヒゲも伸び放題、ブルーザー・ブロディ風に変貌してゆく。「ひとり超獣コンビ」か!
展開は、ほぼダニエル・デフォーの原作小説どおり。砦の建造。大木を切り倒し脱出艇を造るも、海まで運べず断念。フライデー青年と出会い「無人島だと思ったら仲間がいた」など。
この作り手、かなりの動物好きとお見受けした。死にゆく老犬にサルがギュッとしがみつく芝居など、きびだんごでもあげなきゃ無理だろう。
原作だと二十八年にも及んだサバイバルを、65分の映像にまとめ上げたスキル。さらに時おり、糸を紡ぎながらロビンソンを待つ、故郷の恋人の姿が挿まれる。
彼女の存在は映画のオリジナル。漂流から帰還を果たす英雄・オデュッセウスの妻、ペーネロペーの役どころなのでは? 神話のイメージを忍ばせて、観客の集合的無意識に訴えかけたのだとしたら···!?
監督・主演を務めたマーマデューク・A・ウェザレルは、のちのち有名なネッシー写真の捏造犯とされる御仁。〝世紀のペテン〟の仕込み術、その片鱗を覗わせた?
なお帰りは京橋のコクリツから東京駅まで歩き、中央線に乗ってクニタチまで帰りました。ローカルな話で恐縮ですが、これが俺のオデッセイ···。