美容室・ラーメン屋・歯医者・パン屋なんかと並び、街を歩けば数え切れないほど見かけるお店ランキングの上位に入るであろう珈琲店。

あなたの街にもチェーン店のコーヒーショップがたくさんあるだろうし、ロマンスグレーの渋いマスターか気風の良いおかみさんがやっている個人経営の喫茶店だってあるだろう。近年はお洒落なバリスタがラテアートを描いてくれるコーヒースタンドも多くなり、

そして自家焙煎した珈琲を提供するお店も珍しくはなくなった。

2018年から2023年までの5年間、誰に頼まれたわけでもないのに小さくて原始的な構造の機械で焙煎をして、運良くイベント出店や間借り営業を通じてたくさんの人たちに自分の珈琲を飲んでもらうことが出来た。

2023年の10月頃、ふと目を閉じた時に思い浮かんだ景色がある。存在しないはずの自分自身の店に立ち、その店に初めて来た人を迎え入れるその瞬間。その人物の顔は逆光で判然としない。

知っている人だろうか。知らない人だろうか。その人の顔を見たいと思った。

だから、2024年は自分の店を持つという目標を立てた。達成出来るまでにどれだけの時間が掛かるのかは分からない。でも今は、あの光を目指している。