日本酒のことを書いたけど、ビールについても何度か扉が開く瞬間があった。これも元々は宴会の飲み物くらいの認識だった気がする。
最初はありきたりだけど、ベルギーの「ヒューガルデンホワイト」。小麦主体で苦味控えめ、オレンジピール?コリアンダー?そんなもの入れていいんだ、という衝撃。
香りと味わいを楽しむベルジャンホワイトに魅せられて、まずはベルギーやドイツのビールに嵌り、そこから段々と、見知らぬインポートビールを見つけたらとりあえず飲んでみるようになった。
日本の大手以外、いわゆる地ビールも色々飲んでみていたけど、この頃は正直なところどこのを飲んでもだいたい同じ、みたいな感想だった。
誰から聞いたか忘れたけど、酒税法の規制緩和と町おこしのコンボで同じようなレシピが出回っていた時期があるらしいので、そのせいなのかな。
そんな感想を覆したのが、新潟「スワンレイクビール」のペールエール。シンプルで丁寧な味わいと絶妙なバランスで、繊細。日本のビールは繊細さを楽しむのが正解なのかもしれないと思い直した。
そうこうしているうちに世の中にクラフトビールという呼称が浸透して、珍しいビールもどんどん増え、質も一気に跳ね上がった感じがする。あくまで個人の感想だけど。
一度扉が開くと、今まで経験したものもまた違う印象に感じられることがある。受け取る側の知識や経験値によって、同じものも同じじゃなくなる。
個人的にはこれを二周目とか呼んでいて、また新たな扉が開くと三周目が待ってたりするので人生楽しい。酒がうまい。
2024/03/02 更新
後半息切れして大事なビールを書いてないな、と思ったので追記。
名古屋Y.market Brewingの「ルプリンネクター」。今も流行中のNE IPAに初めて出会ったのがこのビール。爆発的なホップの香りと滑らかな口あたりで、一気にクラフトビール沼に引きずり込まれた。
その後一時期DDH、TDHみたいな過激なスタイルにも傾倒していたけど、今は一周回ってアンバーやベルジャンの穏やかな味わいに好みが落ち着いているかも。