題名の言葉通りの心の傷なんて、私には分からない。
鈍いのかもしれない。
両親が口論するたび、私は強くなったのか、慣れて鈍くなったのか、分からなくなる。
お母さんはあくまで口論じゃない、喧嘩じゃないって言う。私には分からない。どう見ても喧嘩だし、何より口論や喧嘩と呼ぶ方が楽だ。
お母さんが土下座して私に謝ってきた。
止めてと私は言った。
止めてと言うくせに、私は自分が何を望んでいるか分からなくなる。
いや、違う。望んでいるものが叶わないから、分からない気分になるだけだ。
お父さんとお母さんが愛し合って仲良く過ごしていたら、きっと私まで幸せな気分になると思う。
それが叶わないから、鈍痛みたいに燻る絶望感をずるずる引きずって、何もかもやる気が起きなくて
欲しいものが手に入らなくても、日常は続く。
淡い鬱の気分が私を満たす。
倦怠感。
未来に希望を持てない感じ。
自由になりたい。
海外に行って知らない空気や景色を堪能したい。
出会う人から聞く、幸せな家庭の話が、自分とは切り離されたもののように聞こえる。
寂しい。
まだ頑張れるかもしれない。
若さは永遠じゃない。
助けて欲しいかもしれない。
助けて。
私をここから連れ出して。
空を飛びたい。
幸せな気分になりたい。
私に、力をください。