心の傷

静謐
·

題名の言葉通りの心の傷なんて、私には分からない。

鈍いのかもしれない。

両親が口論するたび、私は強くなったのか、慣れて鈍くなったのか、分からなくなる。

お母さんはあくまで口論じゃない、喧嘩じゃないって言う。私には分からない。どう見ても喧嘩だし、何より口論や喧嘩と呼ぶ方が楽だ。

お母さんが土下座して私に謝ってきた。

止めてと私は言った。

止めてと言うくせに、私は自分が何を望んでいるか分からなくなる。

いや、違う。望んでいるものが叶わないから、分からない気分になるだけだ。

お父さんとお母さんが愛し合って仲良く過ごしていたら、きっと私まで幸せな気分になると思う。

それが叶わないから、鈍痛みたいに燻る絶望感をずるずる引きずって、何もかもやる気が起きなくて

欲しいものが手に入らなくても、日常は続く。

淡い鬱の気分が私を満たす。

倦怠感。

未来に希望を持てない感じ。

自由になりたい。

海外に行って知らない空気や景色を堪能したい。

出会う人から聞く、幸せな家庭の話が、自分とは切り離されたもののように聞こえる。

寂しい。

まだ頑張れるかもしれない。

若さは永遠じゃない。

助けて欲しいかもしれない。

助けて。

私をここから連れ出して。

空を飛びたい。

幸せな気分になりたい。

私に、力をください。

@seihitu
𝓓𝓲𝓪𝓻𝔂