ふやしていく

seikatsutotane
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チューリップは3年目で10本になった。ヒヤシンスは2年目で4本になった。サイズは最初より小さい。毎年球根を掘り起こして秋に植えてふやしていく。この行為について種を採って継いでいく感覚よりも、話すことをやめない行為と似ている気がした。私は私の意志を曲げないで増やしていくことをしたいのだと。球根は根を張って花が咲いて、球根の数が増えていく。

パレスチナの刺繍本を見ながら作品を作っていた。モチーフをちりばめた。パレスチナに住んでいた人たちは豊かだった。ステッチを描き写しながら文化も豊かであった土地がないものとされてしまっていて、人が人を殺戮し続けている状況と、私の今いる場所がかけ離れすぎているけれど、この豊かさが壊されてしまっていて関心がない人がたくさんいることにとにかく恐ろしいと感じてしまう。飢餓状態なのに「イスラエル、UNRWAのガザ北部への食料輸送認めずと通告か」とニュースが流れてきた。