療養日記 2/27

眞鍋せいら
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早朝覚醒したあとにまた眠り、昼をとうに過ぎてから起き上がり、ぼんやりしてまた眠る。気がついたら夕食の時間である。夕食を食べてからもソファで1、2時間眠る。真夜中過ぎて2時ごろに布団に入って目をつぶる。書くほどのことはない、最近の過ごし方だ。

具合が悪くなってからというもの、ずっと実家で過ごしている。居心地は良いようで、人が多いので息が詰まることも多い。パーソナルスペースがほとんどないここでは、ひとりになりたければ、夢の中に逃げ込むしかない。一人暮らしの部屋に帰りたい気持ちもあるが、今は身の回りのことができそうにない。

観られそうな時は、居間で映画を観る。観ると言っても、パソコンにテレビをつないで配信を適当に流すだけだ。家族が出たり入ったりするので、あまり真剣に観たいものは向かない。ストーリーを追うのではなく、映画ならではの特徴、例えばカメラワークとかレンズの効果とか、光のあたり方、小声で囁かれるセリフとか微妙な表情の変化、そのようなものに注目しつつ、画面を眺める。どちらかというと、今まで演劇といえば舞台演劇ばかり観ていて、映画のことは考えたことがなかった。映画はこんなにも違うんだ、こんなにも自由なんだ、と驚かされる。

『夜明けのすべて』ほか、劇場で観たい映画もいくつかあるのだけど、今は行けそうにない。いつか映画を作ってみたい。外があたたかくなって、健康になったら。

@seira
詩のような、日記のような