如才なき事ながらネタバレだらけです。
また、停雲パートに登場したキャラクターに関するネタバレがあります。
八日目の旅立ち
サンデー編
まず彼のことは列車に乗せました。
やっぱり彼の言葉が刺さっていたんです。
過去そのものは変わらないけれど、彼は列車に乗って、縛られる生からは解放されたと思っていて。彼がサンデーにも同じように「縛られずに生きてほしい」と願っているのならば、乗せてあげたいなと思ったのです。
もうひとつ印象に残っていたのは、自分の本性(ワーヴィック)を受け入れ、そのうえで「自分は気高く生きたいから、あなたのことは嫌いだ」と宣言したところですかね。
何と言いますか……正朔自身も自分の気質を受け入れつつ嫌だなと感じる部分があって、こういうかたちの自己肯定も許されるのかなと思ったのです。受け入れて好きになることと、嫌悪して締め出すことと、その間があってもよいのかな、という。
停雲と御空
あなたにとってはありふれた、なんでもない飛行だったかもしれません。ですがそれは、ある幼い少女にとって……初めて、「空」に触れた瞬間だったのです。
停雲も「もう空に触れてしまった」者のひとりのだなと。
御空は晴霓の「私が犠牲になることで仙舟の民が幸せになるなら、私は喜んで死ぬ!」という宣言に対し、自らの恐怖を次のように吐露していました。
帝弓の司命にとって、敵を倒すことが息をするのと同じように簡単な行為なら…私たちの犠牲は何だったって言うの?
星神の偉大なる力の下では、凡人の犠牲なんて、一笑に付す程度のものに過ぎない…取るに足らないことなのよ……
開拓行路を参照するとこれはおそらく停雲(大君)がいなくなってしまった後の話なのですが、それを考慮すると御空の「私の願いは、あなたがそんな神との戦争は無縁な生活を送ってくれることなのよ……」という心情はあまりにも重く、またこれに対する停雲の台詞がものすごく刺さるなと思います。
知っておいてほしいのです。盤上において、将師の策を挫くのは…いつだって名もなき兵士たちなのだと。
コズミック・ハウジングガイド
列車組の日常や創作に使えそうな設定をこれでもかというレベルで供給していただいたな……ありがとう……。
丹恒は片付け上手でシロアリ退治もしてボドゲもアニメ鑑賞もしてくれて空き時間で学術記事まで書いているということが分かりました。すごすぎ。
そしてガチャのカプセルを振ったときの音で当たりを見分けるトンデモ能力を持っていることまで判明しました。さすがハーモニー学部。
これを抽象的に表現すると、丹恒は音を聞き分ける力が優れているのだと思います。例えば、暗闇で得物が振り回される音が聞こえたとして、ある程度の長さや重さを推定するとか、そういうことができるかもしれません。
あととりあえず蒼龍に床掃除させるのはやめたほうがいいと思う。
穹丹オタクの感想
ここのシーン、スマホカバーが穹のものな気がするのですが……ミス? おそろい?
丹恒、穹くんに「寝坊したら起こしに行く」と宣言していましたが、穹くん故意に寝坊するやろそれ。毎日起こしに来て良いよ。
さてこの「起こしに行く」、ドアをドラミングするものだと思っていたのですが、冷蔵庫に皆が無断で物を入れていく描写から、そもそも穹くんの部屋が出入り自由となっている可能性が出てきました。
丹恒は性格上遠慮してくれるものかと思ったら、彼も穹の不在中にバリバリ普通に冷蔵庫開けてる。食品用の冷蔵庫に試料を入れるの、やってることが予算の無い博物館なんですよね……。
書き置きはしてくれる。
(これ星ちゃんだと女の子の部屋に無断侵入する男になると思うのですが大丈夫なのだろうか)
ていうか実験までしてるなら資料集じゃ不足だろ……なんかもう……二人でそこで暮らせよ……。