生まれて初めて海に飛び込んだ。それもとびきり青く透明で、穏やかな海に。泳ぎは忘れてしまっていた。それでも、基本的なことを習い、少しだけ潜って、珊瑚に集まる色鮮やかな魚たちや、優雅に泳ぐウミガメも見ることができた。泳げるって素晴らしい。と同時に、海で泳ぐことを教えてもらう(又は教える)というのも、これもまたなかなか良いものだなと思った。僕は自分の子どもに何を教えることができるのだろうか。素敵なことと、絶望的なこと、そして、そのどちらとも言えないようなことは、いくつか身に覚えがある。いろいろあるけれど、それを少しでも分かち合えれば良いのだろうか。
皿を洗いながらその歌を歌った。