OMORI 感想文

semitonbo
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OMORIというゲームのグッドエンディングまでをやりました。

やったのは数日前だけど、それから今日までいろんな人のプレイ動画を見たり感想・考察noteを読み漁ったりして、今の自分の中にある感想も書き留めたいと思ったので感想文を書いてみます。

感想文と銘打ってはいるけど、文の推敲をするつもりはないし読むときのことは考えず雑多に書いていくので、読みにくいかもしれません。すみません。

ここから下の文章はOMORIのゲーム体験を大いに損なう可能性のある内容を含む可能性がかなり高いので、もし未プレイの方がいたら読まずにブラウザバックすることをおすすめします。

あと、もしかしたら、設定を履き違えていたり間違えてる箇所があるかもしれないので、あったらごめんなさい。

 

 

 

なにから書けばいいのかわからないので、まずはストーリーを振り返ってみようと思います。

OMORIの正規ルート(いわゆるサニールート)は、プレイヤーの依代であるサニーくんが、4年前に起こった姉・マリの自死とその真相に向き合っていくというストーリーです。

マリの死の真相は、サニーとマリの姉弟喧嘩のはずみでサニーがマリを家の階段から転落死させてしまい、それを自死に見立てたというものでした。

その姉弟喧嘩の原因は、マリが死んだ当日の夕方に行われるはずだった演奏会にあります。

演奏会では、マリの弾くピアノとサニーの弾くバイオリンによるデュエットが予定されていました。

その演奏会に向けて、かれらは猛練習をしていました。

ゲーム中ではっきりと描写はされていないけど、マリが「完璧な演奏がしたかっただけなの」ということを言っていたり、その猛練習の顛末から、めちゃくちゃ厳しい練習の日々だったことが想像できます。

めちゃめちゃ厳しい猛練習の末、サニーくんは心がぷっつんになり、バイオリンを床に叩きつけて壊してしまいました。

このバイオリンは、サニーくんの友達みんながいっぱいバイトをして稼いで買ってくれた、サニーくんの誕生日プレゼントでした。

サニーくんには、かれによくしてくれる周囲の人がいっぱいいました。

隣に住んでいる、同い年のケルくん。

ケルの兄で、面倒見のいいヒロ。

快活でかわいいオーブリーちゃん。

気心のしれた友人、バジルくん。

それから、姉のマリ。

それら友人が、昔バイオリンを習っていたサニーくんのために、いっぱい働いて稼ぎ、新品のバイオリンをかれの誕生日にプレゼントしました。

そのバイオリンをかれはかれ自身の手で壊してしまいました。

それを見たマリが激昂したことがきっかけとなって姉弟喧嘩に発展し、サニーはマリを死なせてしまい、その現場を目撃した友人のバジルと共にマリを自死に見せかけるよう木に吊るしました。

これをきっかけとしてかれら友人たちの関係はめちゃめちゃになり、罪の意識に苛まれてサニーくんは引きこもりとなり、部屋のベッドで眠りつづけ、その夢の中に作った広大な世界と夢の中の人格「オモリ」で夢世界を冒険していきます。

これがOMORIというゲームの始まりです。

 

 

 

OMORIの感想noteを読んだりしていると「4年前のあの日にマリの死の偽装工作をしていなければこうはならなかったのでは...」「そもそもこの物語でもしものことを考えるのは不毛じゃない...?」みたいなことが書かれていました。

個人的には、仮に偽装工作をしていなかったとしても、かれら友人たちはぐちゃぐちゃになっちゃってたんじゃないかなと思います。

なぜなら、姉弟喧嘩の前に、サニーくんは大切なお友達からもらったバイオリンをすでに破壊してしまっているからです。

バイオリンは練習用の安いものでもめちゃめちゃ高いし(こないだの格付けチェックで見た)、それを壊したことが知られたら友達とはギクシャクしちゃうだろうし、マリはサニーの行為を許さないと思います。

こんなふうにマリの死の顛末をぐるぐる考えていると、かれらが生まれて出会ってしまったことが間違いであるように思えてきます。

 

 

 

正規ルートのラストでは、サニーは思考世界の中でかれ自身の夢人格であるオモリと対面し、オモリはこのゲームのラスボスとしてサニーの前に立ちはだかり、闘うこととなります。

そして、その戦いの末、サニーはバイオリンを構え、あの日に姉のマリと演奏するはずだったデュエットを演奏します。

ここからマリの弾くピアノとサニーの弾くバイオリンによる、あの日に行われるはずだった姉弟によるデュエットが流れ、かれらが生まれて友人たちと出会い、演奏会に繋がるムービーが流れます(YouTubeで何回も見て何回もべしょべしょに泣いた)。

そのムービー中に描かれるマリとサニーによる演奏と映像がめちゃめちゃ美しくて、きっとこのシーンを美しくするためだけにここまでのゲームはあったんだろうなーとまで思いました。

でも、このシーンは現実では起きませんでした。

サニーが演奏会の当日にバイオリンを壊し、マリを死なせてしまったからです。

デュエットのムービーは彼らの成長と出会い、それから実現しなかった演奏会へと続いていて、やっぱりかれらが生まれていなければ出会っていなければこんな悲劇は起こらなかったと思わされそうになります。

あの日に偽装工作をしていなかったら、バジルが見ていなかったら、姉弟喧嘩なんかしていなかったら、バイオリンを壊さなかったら、盛大な誕生日パーティーなんて開いていなかったら、お友達がサニーのために用意したプレゼントがバイオリンでなかったら、かれらがお友達でなかったら、...

 

 

 

OMORIの正規ルートは、先にあげたオモリとの対戦がラスボス戦となり、そこでの選択でエンディングが分岐します。

オモリ戦は、プレイヤーがオモリを操作して夢世界でバトルをしていたときと同様に、HPが0になる攻撃を受けても「オモリは屈しない」というメッセージが表示されてオモリが倒れず、実質的な負けイベントとなっています。

ここでコンティニューをせず、オモリに全てを委ねて夢世界に帰る(サニーは建物の上層から飛び降りる)のが1つ目のエンディングです。

コンティニューをすると先に書いたデュエットのムービーに突入し、サニーはオモリを乗り越えて思考世界から抜け出し、友達にあの日の全てを打ち明け、もう1つのエンディングを迎えます。

この2つのエンディングには名前がついていることが実績画面から確認できます。

前者はバッドエンディングで、後者はグッドエンディングです。

クリアした人ならわかるように、グッドエンディングは決してハッピーエンドではありません。

OMORIは、そもそもが始まる前からなにもかもが終わってしまっている物語であり、かつて本当にあって今もありえたかもしれない輝かしい時間に縋り続ける物語です。

もしもかれらが生まれてなくて出会っていなかったらこの悲劇は起こっていなかったかもしれないけど、そんな今までの全てをサニーが受け入れて生きていく決して幸せではない結末に「グッドエンディング」という名前をつけたことには、製作者の強い意思があると感じます。

生きなきゃ〜!

 

 

 

ストーリーについての感想はうまく着地できた(え?)ので、それ以外のゲーム部分について思ったことをつらつら書きます。

・明るくて楽しいパートと怖いパートの振れ幅がすごくて感情がぐわんぐわんした。

・ジャンプスケアが普通に怖すぎる。鏡に映るオモリたちがぐにゃあ...って歪むのとかスイートハート城のイバラの奥から何かがこっちを見つめてる演出とかを夜中に見て最悪だった。

・ホワイトスペースやヘッドスペースがサニーの想像した夢世界であることを明言せず、現実世界の町にヘッドスペースの断片があることからあれは夢世界だったんや...と思わせる演出良かった。

・お友達たちの武器が「バット」「ボール」「フライパン」みたいな道具なのに対してサニー/オモリとバジルの武器が「ナイフ」「ハサミ」っていう二大凶器(?)なの萌えポイント高い。

・現実ブリーの釘バットはだいぶおっかないけど。

・「現実でオーブリーがバジルを湖に突き落とすシーンはサニーがマリを階段から突き落としたシーンの対比で、バジルくんは助かり、マリは死んでしまったという違いがあるがやっていることは同じで云々...」みたいなことが書いてある感想noteがあってなるほどな...と思った。

・ケルくんにずっと救われてた。最初のかくれんぼで探すの手伝ってくれたり、玄関で出迎えてくれたり、悪夢で目覚めた隣でスピ〜って寝息かいて寝てたり。ケルくんは光。

・バジルくんめちゃめちゃ好きだし、もう1つのルート(いわゆる引きこもりルート/オモリルート) だと夢世界でバジルくんを救出していろんな場所を冒険したり一緒に戦ったりできるみたいなのでやってみたい。けど、もう一回あの恐怖演出を見て耐えられる気がしない...。困り

・お蘭のOMORI実況見てたら怖いシーンでオギャー!!!って叫んでて、怖いシーンの印象がお蘭の叫びで上書きされて助かった。

・オレンジオアシス(多分マップ上にあるピラミッドみたいなとこ)の行き方がわからなくて行かずじまいだったからもう一回やりたい。けど、もう一回あの恐怖演出を以下略...

 

 

 

もっと書くことある気がするけど疲れたので終わります。

#omorisunflower を見て癒されてきます。