誰にでもあるだろう、昔に関わったひとをふと思い出して「あのひとは今どうしているだろう」と思いを馳せることが。
今回思い浮かんだきっかけは、ここしずみーで購読しているねじまきさんがゲイだと読んだ時だった。ねじまきさんは以前から購読しているので当然何回も目にしているけど、突然ピッと繋がった。
10~15年は余裕で経過している、それくらい昔のこと。当時流行っていたブログで、それはそれは文章がとても上手な男性がいた。
そのひとはそれまで女性しか恋愛感情を抱いていなかったが、突然親友の男性を好きになったとのことでその辺りの感情やらエロやら何やらを事実として詳細に書いていた。そこは例えるならどろどろした深紅の血の沼に蓮が咲いている世界で、その美しさに圧倒されながら相当読み込んでいた。お陰であのひとの世界は間違いなく自分の一部を形成している。
当時は読んで吸収する作業が本当に楽しかったのであまり深く考えていなかったが、あれは創作が何割かあっただろうと大分歳を食った今は捉えている。吸収しながらも微かにそう感じることはあったが、当人が否定していたこともあって楽しさを優先に…いや正確には、事実でも創作でも構わない気持ちで目を瞑っていた。
そういう世界に棲んでいるからか彼は繊細で(もしくは繊細だからこそ描ける世界かも知れない)刹那的というかはかなさも持ち合わせていて、時々自分を追い詰めて壊すようなことを書いていたので心配になったものだ。少し離れてから数年後に行った時は、好きだった親友から執着されているが自分は他の相手を求めている、と書いてあったように記憶している。
もし彼が事実しか書いていないならば、現在40代前半くらいだろうか。住んでいる場所も自分と同じ地方だったが、今はどこか別の場所に住んでいるのだろうか。自らを壊してないだろうか。幸せを実感できているだろうか。
自分の一部となっているあのひと、どこでどうしているんだろう。