プロローグ
つまり眼科へ行け。という身も蓋もない話なんだけど、自分の体験をここに書いておきたい。というのも、長らく「片目から涙が出る」状態だったのだが原因が分からず、結局は旧ツイッターで見かけた体験談によって判明したので、もしかしたら自分の話も誰かの助けになるかも知れない、という気持ちを込めて書いておきます。
経緯
症状はホントその通りの「片目から涙が出る」。ほぼ常にと言っていい程、場所時間状況問わずに出ていた。流石におかしいだろうと思い、眼科で診てもらっても「異常無し」。しかも2回、年配(というか寧ろご老体)の先生、若い先生の2人に診てもらっても同じ結果だった。この間に数年経過。
そしてある日、旧ツイッターで
「涙が出るので眼科へ行ったら、涙管が詰まってて水で押し流すように洗われて治った」
という呟きを見かけた。この方はアイメイクで使うラメが詰まったのが原因のようだった。
なるほど、「涙管が詰まる」とな…とこの時学んだが、肝心の医者(2名)がそう判断しなかったのだ。なら涙管のことに詳しい先生ならどうだ、ということでグーグルで探しまくったところ、「日本涙道・涙液学会」という医学に詳しくない自分からすればニッチ過ぎる学会を発見した。そこに所属している先生なら絶対分かるハズ!と意気込んで、行ける範囲の先生を探しそこで診察してもらうと…一発で「涙管詰まってます」と診断。やっぱり異常あったんじゃん!
治療
付いた病気の名前は「涙道閉塞症」。涙が出るだけで見えなくはないので、放置しておいてもまぁ急にどうこうという訳ではないが、涙嚢炎にかかった場合嫌でも涙道閉塞症の治療を開始しなければならなくなる。涙嚢炎にかかっただけでも涙目(涙だけに)なのに、並行でやるなんてかなり大変なのでは…と判断して涙道閉塞症の治療を始めることにした。
まずは簡単に済む方、ということで詰まった涙管にチューブを通して数か月そのままにしておいて通り道を再度開通させる方法を取った。しかし…めちゃくちゃぎゅーぎゅーに詰まっており、かなり先生が奮闘してくれたのだがチューブすら通らなかった。という訳で次の手段は手術である。
手術は全身麻酔なので別の病院を紹介してもらった。そこの先生には、
非常勤の総合病院で入院して手術。大体1週間
常勤の医院で手術。日帰り
の二択を与えられた。入院は面倒なので日帰りを選択したが、生命保険的には入院の方がお得だったな…と後で気付いた。だが自宅の方が絶対過ごしやすいからね…。
手術では、もう詰まってる涙管を無視して新たなバイパスを作る。詳しくは「涙嚢鼻腔吻合術」で検索して下さい。パッと見、顔の皮膚を切開しそうだが特に異常が無ければ鼻の穴から器具を突っ込んで手術する。自分も鼻の穴からだった。
鼻の穴からだし当然全身麻酔なのだが、この時の麻酔は実は予兆があった。
自分は以前にも全身麻酔をしたことがあるのだが、その時は「冷たくなりますよ」と言われて「ふーん冷たk」で意識が途切れた。今回もそのクチかと期待していたら、特に何も言われないまま麻酔が始まったようでどんどん胃が気持ち悪いというか、ムカムカし始めて「えっこれ今言った方がいい?めっちゃ気持ち悪い」と考えた後で「あ、これ麻酔だ」と気付き、仕方なく意識を失うまで待っていた。早く~気持ち悪い~早く効いてくれ~寝ればいいのか?寝ればいいのか?!と内心叫びつつようやく意識を失った。
手術後すぐから涙はぴたりと止まった。家人は「流石、それだけに特化した手術なだけあるな」と妙な感心をしていた。
この時は目鼻を弄ってるので当然顔面の手術と言えるのだが、顔面はクソがつくほど痛い。最近は美容整形で顔を手術していると何人も公表しているが、あれ本当にすごいな…と心底思った。相当な痛みが何日も続き、骨まで弄るとなるとその痛みは更に半端ないはず。自分なんてほんのちょこっとだし時間もそこまで長くなかった(丸1日は余裕で痛かったが)のにそれでもかなり閉口した。今回は病気だったからやったけど、それ以外の理由では絶対にしない。
その後
あれから2年位経過したが、涙はもう出ないので成功したと言える。寧ろ通りが良すぎて、鼻を強くかむと目頭から空気が噴き出るくらいだ。あと、微小な後遺症みたいなもので、鼻詰まりがちょっと酷くなったし、手術した目の方だけ花粉症の症状が顕著に出る。この辺は、治療をした分体の微細な変化によるものだと思う(実際先生が診察しても「異常無し」で終わる)。どんな治療でも体に変化は起こる(起こすからこそ治るとも言う)ので、つられて他の部分も変化があるものなんだろうな~という考えに至っている。