12年勤めた仕事を辞める。
12年って、どのくらいの時間なんだろう。小学生から高校卒業までくらい…?そう思うと適度な時間の長さ、なのかな。
12年も同じ職場に居ると、本当に、本当に、お世話になった人たちは、あらかた異動になったり定年で退職されたりしている。
入った時からずーっと知ってる職員さんは3、4人しかいない。
今日、何故か、そのうち1人の職員さんが自分と同じタイミングで異動になると聞いた。
僕は、異動になった職員さんが、組合のBBQで酔っ払って石を食べるのを見たことがある。
かの職員さんは、女性だし、挙動不審なので、先輩の男性職員から、何回か人間性を否定されるような言葉を吐かれてきた、と言っていた。(今はそこまで挙動不審ではない)
でも、かの職員さんは、ちょっと病的と言っていいほど真面目なので、人間性を否定されても素朴に受け止めるし(今はそうでもないらしいが…)、残業がかさんでるのに、他部署の作業をふられてしまう。「なんでやねん」と思いながら、結局いつも休憩時間を潰して作業をしている。
僕はかの職員さんを自分と重ねてしまっている面があるかもしれない。
自分も十数年仕事していくうちに、人との接し方を学んできた。
今、それが良くなったか問われると不確かではあるけれど、以前ほど、人におびえなくなったし、必要以上にかしこまったり、おどけすぎて、トラブルを起こさなくなった。
とまれ、「こっち側」の人間は、かんたんに暴力に屈するし、暴力に屈することを「悪い面だけじゃないよね…」と思うし、そうやってつらい局面を乗り越えようとするし、同じ「こっち側」の人間がサンドバッグにされてると、自分だけは理解してあげたいと思う。それは、あながち間違ったことではないと思う。だって、魂ぐらいはきれいでいたいじゃないですか。
そんな最中、職場にスーパー主婦さんが入ってきた。
われわれの職場では(広い意味での)暴力が蔓延っており、それでも課長クラスの人間は「仕事が回るほうを優先する」という振る舞いが常態化しておるので、弱いものがさらに弱いものを叩くシステムでやらせていただいておるので、その皺寄せが末端であるうちら(挙動不審な人たち)に来ているのですが、スーパー主婦さんは暴力に屈せずに「おかしい事はおかしい」と告発していた。
彼女の態度も尊いものだと思う。