年を取った。

quibed
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年を取った。すると何が起きるか。全体的なエネルギーが減る。なにかやるためのエネルギーの閾値を上回って実際に何かに取り組む時間が減り、よくも悪くも生活がシンプルになる。活動するための閾値をかつてはよく上回っていたようで、特に本を読む量、映画を見る量、夜起きて何かする量、人に会う量などなどが全体的に高かった。そういうことに気づかされる。体力だけでなくいろいろ理由があるのだが。

とはいえ悪いことばかりではない。年を取るとつまらないものがわかるようになる。自分がやることもあまりつまらないことは避けたいなとおもうので、相当つまらないみたいなことはきちんと避けようとする。かつては頭に落ち着きがないので思い切りはいいものの思い切りつまらないことをして失敗してへこむ、みたいなことが多かった。派手な失敗はしなくなる。またなんとも言えない積み上げている感じがあり、これはやったことがあってもう飽きているから、次は身をよじらねばな、という感覚がわいてくる。まだよじれる余地があるので楽しめる。変化をしようと思ってトライしてそれなりに変化でき、自他からもそのことを気づけるといううちが花である。

逆に、例えばアーティストとかで「この人はまたこんな表現をやっている」みたいなことがあるが、彼らは一般人に比べて、過去やったことを避けつつのチャレンジをしてきた量がすごく、どこかで本当に身をよじれなくなってしまったのだろう。外野は勝手に「自家中毒だ」とかなんとか言えるものの、本人は、限られた時間と、今までの取り組みの理路とかがあって、今や他人からはわからないような変化に夢中で取り組んでいるのかもしれない。